※この記事は『バチェラー・ジャパン シーズン6』Episode1-4のネタバレを含みます
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『バチェラー・ジャパン シーズン6』が今週開幕した。バチェラー・ジャパンシリーズは2017年からスタートしており、バチェロレッテも含めると今回で9作目になるらしい。恐ろしいことに私は毎回欠かさずその全てを見ている。何だったらシーズン1と2についてはブログに感想も書いている。恋愛リアリティショーと言いながら、その類の中ではバチェラーはかなり特殊な環境に置かれド派手な演出で攻めまくる企画だと思うので、現実離れしたエンターテイメントとしてこの上で視聴者も踊るしかないという気持ちでいつも見ている。
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そんなシーズン1から毎回見ている私だが、昨今のこのシリーズは何だかリアル社会の縮図を見ているような気持ちになり、シーズン1ほどの気持ちの高まりを感じられなくなっていた。2019年バチェラーシーズン3の友永真也さんは旅の最後に選ばなかった方の女性と交際するという大どんでん返しがあり、2020年バチェロレッテシーズン1の福田萌子さんは誰も選ばないと言う前代未聞な決断を下した。2021年のバチェラーはそんなバチェロレッテで最後まで残っていた黄皓さんが務め、またその流れで2023年のバチェラーはまたしてもその前年のバチェロレッテで選ばれなかった長谷川惠一さんが務め、果たしてこれはバチェラーなのか?ということが疑問視されたりもした。昨年配信されたバチェロレッテシーズン3の武井亜樹さんは本当に自分は恋をしているのか?と終盤まで参加者に疑問を抱かせてしまうという流れがあり切なかった。シーズン3の配信があった2019年と言えば令和元年だが、まさにこの令和以降のバチェラーシリーズは企画の意図する方向にうまく作用していないとのではと感じる場面も多かった。しかしこれこそが今の社会における、自分に嘘をつかない・他人のために我慢しない「自分らしさ」をバチェラーやバチェロレッテが大切にした上で出している結果であり、また参加者側もいくらバチェラーやバチェロレッテが魅力的に演出されていたとしても自分の心に正直に居続けるということを大切にし、その在り方は企画側もそれを尊重しているという証拠になっていた。番組を盛り上げるために企画側が人の気持ちまでもを捏造しなくなったことは令和の良い点である。その一方で各自がカメラの前でも「自分らしく」いることを優先すると、こんなにも誰かと誰かが運命的に恋に落ちるという難易度が上がり、海外の素晴らしい景色や体験ができる環境下においても、ロマンティックな大恋愛が生まれづらくなるのだなということを実感していた。現実社会においても、若者が自分の気持ちや時間を優先することで、他人との恋愛関係に発展することに重きを置かなくなり、恋愛から離れてしまうのは、未婚率が上がる要因の一つのように思う。バチェラーシリーズでも参加者が自分らしくいることは尊重されるべきだけど、もっとみんなバチェラー・バチェロレッテに夢を抱いて恋愛している姿が見たい…!!という矛盾しそうな感情を持ちながらこの数年見ていた。
そこへ来てバチェラー6・久次米一輝さんです!!やっと来ました…!!みんなが夢を抱いて恋愛できそうな救世主が…!!「共立美容外科のイケメン御曹司」などと配信前から話題になり、番組ナビゲーターの指原莉乃さんも始まるや否や「顔が良い!」と大絶賛。ハードルがめちゃくちゃ上がった状態でスタートするも、配信の冒頭ではお母様から「話すの苦手じゃん?」「人にアピールすること苦手でしょ」などと人間らしい弱点も明らかにされていて、でもその人間らしさはそこまで減点要素として捉えられないちょうど良い人として親近感が湧くレベルのもので、今回のバチェラーは期待できるぞと感じながら見進めている。そして参加者女性たちも今のところみんなしっかりとバチェラーに夢中になっている様が感じられる。まだEpisode1-4で、大体いつも中盤〜終盤にかけて色々なドラマが起こってくるので油断してはならないが、私はこの九次米一輝さんこそがバチェラーを本来あるべきところへ戻してくれる、バチェラーを再定義してくれるのではないかと思っている。経歴、職業、ビジュアル、お家柄、性格、など全ての要素において女性たちから魅力的に見えるものを持っていて、今のところ今作はバチェラーシリーズの転換点になるような気がしている。
Episode1-4の中で個人的に好きだったシーンは、Episode2で黒澤楓さんにサプライズローズを渡すシーンだった。海辺でのツーショットデートを終えて、砂浜で別れを告げる。黒澤さんは脱いだサンダルを手に持ち、砂浜を歩いて帰る。黒澤さんの後方には、久次米さんの元から続く黒澤さんの足跡が砂浜についている。長らく黒澤さんが歩き続け久次米さんから見ると姿が小さくなっていくタイミングで、久次米さんが花瓶に刺さっていた薔薇を持って、黒澤さんを追いかけ始める。海辺には自分たちしかいないので、大声を出せば届く距離だったが、しばらく声はかけず後ろから静にあとを追う。そして近づいたタイミングで黒澤さんに声をかけて、サプライズローズを渡す。この一連の流れが、まるで映画を見ているようで美しかった。Episode4で黒澤さんが「私はギリギリもらえたローズだったのではないか」と不安視していたと言う胸中を話すと、久次米さんは初めてのサプライズローズでどう渡すべきか迷いがあったということを明かしていて、その心の揺れがあの表情だったのかと思うと、よりあの映像の美しさを噛み締めてしまった。そう、こう言うのが見たかったんです…!と自分がドラマ性のある展開を求めていたことにも気づいた。
女性参加者たちが今回はみんな良いなぁと思うのだが、シーズン1に比べると参加者たちが落ち着いている印象がある。それはもうシリーズを重ねてきたことでルールを当たり前のものとして受け入れていること、カメラにどう映るかに過敏な時代にそれに対応できる参加者が集められているであろうこと、などを差し引いても大人びている気がする。今回改めてシーズン1の感想を書いた自分のブログを読み返していたが、シーズン1は女性陣がカクテルパーティーで感情的になり泣いてトイレに閉じこもってしまう人がいたり、それを介抱する人がいたり、でもそのことにバチェラーは気づいていなかったりと、波乱に自分がヤキモキしていたことを思い出した。女性陣の前では嫌な女で、でもバチェラーの前では良い女をやる、そういう使い分けをして番組を盛り上げてくれるような女性が初期シーズンには何人かいたが、今回は時代の変化なのかそういった女性がいないように感じる。唯一最年少の小田さんが他の女性陣に対して負けず嫌いな面を見せる場面もあるが、それは彼女が学生時代韓国で練習生として過ごした期間からくる勝負事へのストイックさに起因しているのではないかと捉えられるし、彼女も別に常々他の女性たちと敵対している訳ではなく仲良く過ごしている様子が伺えるので、初期のバチバチした雰囲気とはまた違う。
そんな女性陣の中での私の現時点推しメンは、辻本菜々子さん。レッドカーペットでのプレゼントのセンスも良く、切り絵で薔薇と海と夕陽を表現して、一緒にサンセットを見たいと願望を伝える温度感が重すぎず軽すぎずでとても良かった。個人インタビューでは色々思うところを吐露して余裕のない顔を見せる時もあるけれど、バチェラーの前になると感情のアウトプットの調節ができていて、久次米さんにちょうど良い言葉をかけられるところが上手い。ツーショットデートでは、久次米さんの方が珍しくこの雰囲気に酔っているような表情も感じ取れたので、辻本さんは良いところまでいくのではないかと思っている。あと現時点ではまだあまり濃い印象を残せていないかもしれないが、西田祥子さんも好きだ。グループデートから帰ってきた女子ヴィラででんぐり返しをして登場する謎行動、バチェラーに手紙を書いて謎かけを挑んだり、美貌とその中身のギャップに夢中になって見ている。あと落ちちゃったけど、超真っ直ぐだけど人思いな田﨑樹理亜さんは友達になりたい女だった。
という訳で、バチェラーはシーズン6で再定義されるのか?!来週、再来週の配信も楽しみに、その都度感想を記していきたいと思う。