「アイドルと結婚」について緊急座談会

本日、TOKIO国分太一さんの結婚が報告された。それを受けて我々は「アイドルと結婚」についての緊急座談会を行った。その模様を書き起こしてみた。それではまず今回の参加者の紹介から。

アイドルの結婚には賛成派の立ち位置。独身アイドルには無い、既婚アイドルだからこそ溢れ出てくる魅力があると思っている。既婚アイドル・V6井ノ原快彦さんから家庭のエピソードが聞けると興奮する。たまに嫁・瀬戸朝香のブログを読みに行ってニマニマする。

アイドルの結婚には反対派の立ち位置。「反対派」というよりかは「ショックを受ける派」と言った方が正しい。擬似恋愛の対象であるアイドルの恋愛や結婚には、断固反対という訳では無いが傷心してしまう気持ちは否めない。またショックを受けてしまうファンの気持ちもよく分かる。

アイドルの結婚には中立派の立ち位置。結婚とは本来喜ばしきものであり、アイドルはあくまで他人であり、何だかんだ言っても事実としては「他人の結婚」と同じものというカテゴリーで良いのではと思っている。

以上の3名でお送りする。勘の良い方はもうお気づきかと思うが、以上の3名と言いながら全員私である。これから3名が話す内容は各々バラバラの立ち位置であるが、全部同じ人間から生まれた考え方で間違いない。国分さんの結婚報道が出てから色々考えを巡らせていたが、考えれば考える程、自分が一体どの立ち位置でアイドルを応援していたのか分からなくなって来た。ならば本格的に自分の中に居る自分たちに腹割って話してもらおうじゃないかということで緊急座談会を脳内開催した。


中立派C:皆様この度はお集まり頂きありがとうございます。司会進行は喧嘩にならないよう中立派の私が務めさせて頂きます。さて、今日はTOKIO国分太一さんの結婚が発表されましたね。私もびっくりしました。お昼休みに同僚から「国分太一くんって結婚したの?」と聞かれて、またまた一般人はそうやってすぐデマを信じる~と思い「へっ?結婚してないっしょ?」と返していたら、Twitterに出回っていたファンクラブ会員宛に届いたメッセージカードを見せられましてね。これはまた手の込んだデマだなとその時もまだ信じてなかったんですよ。それがちょうど12時50分くらいだったんですけど、私お昼休み入った後すぐ12時過ぎ頃に1回Twitter見てたので。その時は誰もそんなことで騒いでなかったから、たった1時間でまさかそんなこと起きないでしょ、と思いながら半信半疑でTwitter覗いたら、太一くん本当に結婚してたんですよね。マジか、と思って。皆さんはどうやって知りましたか?

反対派B:同じに決まってんだろ、馬鹿なこと聞くなよ。それ見た時に咄嗟に「沈む」って思いましたよ、Twitterが。TOKIO国分太一さんのファンの人、当事者は恐らくそこまで表に出て来ないかもしれないけど、みんなそれぞれ自担に置き換え始める。普段は大丈夫だと思ってる人でも、やっぱり突然「アイドルの結婚」がリアリティを持って目の前に迫って来る。自分はアイドルを擬似恋愛の対象じゃないと思っている人でも、想像して胸を痛めた人は多いんじゃないですかね。私に太一くんの結婚を知らせてくれた同僚も「ファンの人は辛いだろうな」って言ってましたよ。それぐらい一般人にとってもアイドルの結婚は、万人が喜べるものではないって認識なんだなと思って。

賛成派A:一方で「でもTOKIOならいいんじゃない?」って言う同僚も居ましたよ。私は単純に嬉しかったですよ。既婚アイドルが増えることが。しかもそれが太一くんであることが。ジャニーズって結婚しても必要に迫られない限り、家庭の話しないじゃないですか。井ノ原さんも「あさイチ」であんなに主婦層に支持されてるのに、「あさイチ」内で自分の家庭での実体験を語ることってほぼないんですね。実体験を語らないのにそれでも説得力があるって凄いなって思うんですけど。だから結婚したからと言って、その事実をバシバシ突きつけられてそれを我々は寛大な心で受け止めなきゃいけない環境に変わるってことじゃないんですよ別に。そして人間の心理として面白いのは、そんな家庭の話を秘められれば秘められる程聞き出したくなっちゃうんですよ。「あさイチ」で以前にゲストで来てた料理人の方が台本にはなかったであろう「普段奥さんが料理してるの手伝いますか?」って話を井ノ原さんに聞いちゃって、「あぁ、手伝いますよ」って井ノ原さんがサラッと答えた名シーンがあったんですけど、あの時のときめき凄かったですよ。ひたすらに隠されてきた夫としての一面が見えた瞬間、爆発しそうになりましたからね。

中立派C:はい、ピーピーピーAさんそこまで、ちょっと興奮し過ぎですよ。でも確かに女性アイドルが結婚して子どもを産んでママドルになっていくのとはちょっと違いますよね。結婚したり子どもが産まれたりしても、何かが突然大きく変わる訳ではない。女性は子どもを産むとなると仕事をお休みする期間が出来るけど、男性だとこれまでと変わらずテレビにも出るし、シングルも出すし、コンサートも出来る。私が思うに結婚したところで、こちら側に見えている世界が180度変わってしまうって訳ではないじゃないですか。独身のアイドルは「未婚」って名札付けてて、結婚してるアイドルが「既婚」って名札付けてる訳ではない。例えばSMAP木村拓哉さんが歌って踊ってるの見て、不意に「あぁキムタクって結婚してたなぁ~」って思うことはあっても、テレビでアイドルやってる木村さんを見る度に必ず木村さんが既婚者であることを思い出すなんてことはないじゃないですか。それよりももっと歌がどうとかダンスがどうとかビジュアルがどうとか、今見えているものに意識は向くと思うから、「未婚」から「既婚」へステータスが変わったことを実感する時って、この報道の時だけなんじゃないかと思っていて。

反対派B:チッ、チッ、チッ、Cさんは甘いなぁ。ファンってもっと想像力豊かな生き物なんですよ。いいですか。そりゃキムタクだって「既婚」って名札付けて歌って踊ってないですよ。太一くんだってこれから「既婚」って顔に書いてキーボード弾く訳じゃないですよ。でも結婚したってアイドルはこれからもラブソングを歌う機会がやってくるじゃないですか。そういう時に、今まで歌詞を聴いてどっぷりその曲の雰囲気に浸れてたのが、急にアイドルとその嫁の曲に聴こえて来たりしちゃって、歌い手の意識が変わってなかったとしてももう聞き手の意識が変わっちゃうことは止めようがない。今まで自分に置き換えたりして楽しんでいたものが、全部他人のものになる感覚ですよ、分かります?!別に私たちだって、人が幸せになることを否定したくないんですよ。出来れば聞き分けのよいファンで居たい訳ですよ。でもこちらは何も変わっていないのに、あちらが変わってしまったから、熱狂出来なくなってしまうという現象はあるんですよ。人を好きになるという人間の機能を自分がフル稼働させて来たからこそ、誰かがその機能を使っていることにも敏感になっちゃうんですよ。

賛成派A:分かるようで分からない…。シンプルに「好きな人の幸せは自分の幸せ」という思考にはならないの?!仲の良い友達が結婚したら嬉しいじゃん?!子どもが出来たら嬉しいじゃん?!良かったね、おめでとうじゃん?!みんなご祝儀包んで綺麗なドレス来てせかせか結婚式に出かけていくじゃん?!そんで「花嫁めっちゃ綺麗だったよ~」とか言いながらFacebookに写真載せるじゃん?!あの心意気よ!!あの心意気は何処行っちゃったのよ!!って凄く思う。何で世の中でアイドルだけが、正々堂々と結婚を祝福されなくても許されるのか意味分かんない!!嵐だって最新シングルで結婚祝福してたじゃん!!

中立派C:まぁまぁAさん、ちょっと論点がズレ始めてるから一旦落ち着こう。でも私思うに、何で結婚報道とか熱愛報道を聞く度にファンがギャーギャー言わなきゃいけないかって考えた時に、単純に「知らなかったことが急に表に出てきたから」じゃないかと思うんですよ。さっきのAさんの「仲良い友達が結婚したら嬉しいじゃん?!」っての、本当その通りなんだけど、例えば私高校時代に仲良かった友達が数年前に結婚したんですよ。凄く仲が良かったから、高校卒業した後もたまに連絡も取り合って近況報告とかしたりしてて、付き合ってる人が居るってことも知ってたけど、旦那さんは私が全然知らない人で。で、いざその人と結婚するって報告された時にすごく切なくなったの。こんなに私は彼女と仲が良いと思っていたのに、私が全然知らない人と結婚してしまうことに。私は勝手に彼女のことを全て知ってるようなつもりでいたけど、彼女にはちゃんと私が知らない世界があって。勿論自分にも彼女に見せていない一面があるのも承知の上だけど、自分の無知に気づいた時にショックだったの。アイドルの結婚・熱愛報道って、それに似ているんじゃないかと思っていて。ファンは一生懸命色んな情報を追いかけていて、そのタレントのことを凄く理解している気持ちになっているところに、これまで全く見せられていなかった一面が突然表に出てくる訳で。あれ、これは私の手元に無かった情報だぞ?!って混乱してしまうんだと思う。

反対派B:「結婚」が報告されるのとされないのとだったらどっちがいいのかなって考えたりする。この情報社会で隠し通すことは難しいと思うんだけど、好きなタレントが結婚してるかどうかは誰にも分からない、「ご想像にお任せします」って言われていたとして、そんな半信半疑の状態で応援するのはそれはそれでスッキリしない部分があるだろうから、やっぱりアイドルは「結婚」を報告するしかないんだろうなと思う。でもその方法を間違えると、余計な反感を買ってしまうから、結婚報告するタレントは、身勝手なことを言って申し訳ないけど、ファンに気を遣って欲しいと思う。私たちも無駄な戦争はしたくない。今回ファンクラブ会員にメッセージカードを郵送した国分さんの方法は、私の周りではかなり好印象だった模様。

賛成派A:そうだね、戦争はしたくない。今日こうやって脳内でしちゃったけどね。1人の人間からでもこれだけ立場が分かれた意見が出てくる訳だから、ファンの数だけ、いやファンの数以上の考え方が出てくるのは当然。誰かと意見を戦わせたくなかったから、こうやって一人座談会をやってみた訳だけど、結局どこにも収束することは出来ないね。今回は太一くんだったけど、これが別のタレントだったら、そのタレントの年齢や性格や環境によって、また別の考え方が生まれると思う。今回だけを切り取って結論を導き出すことは出来ないよね。久しぶりに頭の中がぐるぐる回った。まぁ最終的に自分に何か一つ言えるとしたら、「他人の結婚に物申してる暇があったら、てめえが早く結婚しろよ」ってことですね。

<緊急座談会終了>