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雑誌「Kiss」で連載中の「ホタルノヒカリSP」はジャニヲタが主人公のお話だった

15年ぶりぐらいに漫画雑誌を買った。そもそも私は漫画を読む習慣があまりない。小学校4年生までは「ドラえもん」を始めとした漫画大好き人間だったが、通っていた塾の実力テストの直前に漫画を読んでテストを受けたら、全然頭が回らず過去最低点を取ったという事件以降、一気に漫画から遠ざかってしまった。ただの勉強不足だと思うが、漫画のせいにしておきたかった当時の純粋な心が生み出した漫画に対する拒否反応は現在に至るまで続き、漫画を読むと頭が痛くなる体内構造になってしまった。そんな私が15年ぶりぐらいに漫画雑誌を購入したのである。

KISS (キス) 2014年 07月号 [雑誌]

KISS (キス) 2014年 07月号 [雑誌]

きっかけはこの記事だった。
岡田准一さんの園長解任を避ける為に女1人でひらパーに行ったツイートが1万RTを超えた件についてのレポート
漫画家のひうらさとる先生が私のツイートに対して反応を下さり、ブログの記事内では私は「リプライを飛ばす勇気がなく」と書いたが、その後ひうら先生が再度このブログを取り上げて下さったので、今しかないと思ってリプライをお送りした。
漫画家さんに遊園地への来園を薦めている自分、改めてどうかしている。しかし一介のジャニヲタに対してすぐに返信を下さるひうら先生は優しい。聖母マリア様のよう。そして気になりすぎる「あややさんたちに共感してもらえるキャラ」が登場するらしいホタルノヒカリの現状。「ホタルノヒカリ」と言えば私も頭を痛めながらコミックを掻い摘んで読んだ記憶があり、またドラマでは綾瀬はるかさんが演じるからこその可愛さであることを失念し、干物女の時代到来に当事者としてガッツポーズを決め、手越祐也さんが出演した映画においては映画館に何度も通った挙句DVDも購入して手元にある程だ。そんな既に身近に感じている「ホタルノヒカリ」が更に我々側に寄っているだと…?!最寄りの本屋には「Kiss」が置いていなかったので大きい本屋まで足を運び、私は身に覚えがあり過ぎる話に遭遇することになる。

<これまでのお話>
干物女の蛍が部長と結婚後ハマったのは、なんとアイドル!そのコンサート会場で出会ったヒカリはコスプレをするほどのアイドルオタク。彼女がその派手な風貌から職がなく困っていたところ、蛍は自分の勤める会社に紹介する。会社では変装しOLの皮を被って、そつなく過ごそうとするヒカリだったが…。

「Kiss」2014年3月号からこの連載はスタートしているらしいので、今回私が購入した7月号は少し話が進んでしまっているのだが、まず、えっ、蛍ちゃんアイドルヲタになったの?!干物女当時にはそうではなかったのに結婚した後にアイドルヲタになったの?!ようこそ、こちらの世界へ!とよく分からない立場で新展開を受け入れることに。

主人公はコスプレイヤーのヒカリな訳だが、7月号のこの1話を読んだだけでもオタクの心理とか生態が細かく描かれていて、読んでてなんだか痛気持ちよい。周りのリア充な女の子たちに合わせて自分も彼氏がいることにして話を合わせるか、オタクをカミングアウトするにしてもカジュアルなファンだと言っておくべきか悩み、オタク同士の会合ではドラマの主演が決まったタレントの担当が涙ぐみ、デビューした時には担当を降りようかと思っていたけどここまで応援して良かったという何処かで聞いたことがあり過ぎる台詞が出てくる。女同士で集まって大好きなアイドルについて熱く語り合っている姿を、世界の外から客観的に見ると、恥ずかしいやら楽しいやらで感情としては「痛気持ちよい」という言葉がしっくり来る。

一番グッと来たシーンはここ。

そりゃ こんなのフツーの人から見たら 何が楽しいのかわからない
かわいそうなことかもしれない だけど
自分で働いて お金使って こんなにワクワクすること
笑い合える仲間がいること 何が悪いんだろう
(「Kiss」2014年7月号 P.82~83)

オタク同士でのカラオケを終え、渋谷のスクランブル交差点で夜空を見上げると、自分たちの大好きなアイドルの姿が映った飛行船が飛んでいる。それを見つけたみんなが嬉しそうに指差して笑っている。2ページに渡ってその様子が描かれ、そこに乗っかる主人公ヒカリのこの言葉。ヒカリにとって今この瞬間こそが人生で最も楽しい時間なんだろうなということが伝わって来て、美しく切り取られた瞬間にグッとくる。「かわいそうなことかもしれない」「何が悪いんだろう」ネガティブな印象すらも吹き飛ばしていく圧倒的快楽の瞬間がそこにある。

まだ1話分しか読んでいないというのにこの痛気持ち良さ、恐ろしい。蛍が干物女を脱していったように、ヒカリもいずれはアイドルオタクを卒業したりするのだろうか。やだ、待って、置いてかないで、と先の展開を予想して勝手に切なくなったりしている。もう既にこの人がヒカリを救うのだろうというイケメン男性も登場しているので、出来るだけヒカリを救うまでに時間をかけて欲しい等と願ってしまう。先の展開どうこうよりもまずは「Kiss」のバックナンバーでここまでの話を補充しなければならない。

切なくて、痛くて、辛くて、でも最高なフィット感。とりあえずもう1回読んでから寝よう。