理想の家庭像論争 『バチェラー・ジャパン シーズン6』Episode5-7

※この記事は『バチェラー・ジャパン シーズン6』Episode5-7のネタバレを含みます

▼Episode1-4についてはこちら
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1週間があっという間に過ぎるので他のエンタメ作品の感想も書いていきたいのに、その時間もないまままたバチェラーの感想記事となる。今回の配信も見どころ満載だった。シンデレラローズという新しいローズの登場、それを使うも緊張のあまり本領発揮できないまま謎かけ女王・西田さんが無念の脱落、2on1デートで村岡さんに敗れファーストインプレッションローズを獲得していた西川さん脱落、カクテルパーティーでバチェラーとの指相撲大会を開催し暗雲立ち込めるも大どんでん返しなご褒美でほっぺにキスを獲得する小田さん、カクテルパーティーで牧場の話が刺さらず冷静な分析家で面白いエンジニアの黒澤さん脱落、急激に石森さんへのギアを上げるバチェラー、と思いきやジャグジーデートで秘密を共有して距離をグッと近づけた小田さん、常に明るくて優しくて人格者だった村岡さんと、ツーショットデートのタイミングが遅かったことが悔やまれる加藤さんが脱落、そして参加女子たちの味方でいてくれるバチェラーのプロ両親登場、等など色々あったEpisode5-7。

その中でも私が特に気になったポイントは、理想の家庭像を語る際に自分が育った家庭の素晴らしさを語る参加女性たちの多さだった。これまでのバチェラーシリーズにももちろんこのようなシーンはあったが、今回はバチェラーが結婚相手として理想の家庭像がマッチする方を見つけようとしていたこともあって、参加女性たちが私が育てられた家庭はこんな風に温かかったと話す場面が多かったように思う。家族は選べないものだし家族のスタイルが多様化する時代なので色々な形があって当然のことだが、どうも波乱な人生を歩んだっぽい女性は今回の参加者の中にはほとんど見られなかった。もちろん自分の家族は温かいものですとプレゼンした方が結婚相手として魅力的に見られるという算段で誇張して話している人も中にはいたのかもしれないが、今回の参加者たちがみんなマウントを取り合ったりせず女子同士で争わない姿勢でいるのは、そういった家庭環境で育てられた健やかさに起因しているのかもしれないと思ったりもした。特に辻本さん、村岡さん、石森さんが呼ばれたグループデートで、みんなのいる場で辻本さんが自分の家庭はこんなに楽しい家族だったとサンタさんのエピソードを話す場面は、個人的にはやや緊張する場面だった。村岡さん・石森さんのご家庭も温かい家庭だったので全員でのトークが成り立っていたが、仮に家族に関して波乱な人生を歩んでいた人がこの場にいたとしたら、この話はどう受け取られるのだろうということにドキドキとしていた。そしてこのトークが終わった後にバチェラーも気づくのである。「家庭像はみんな素敵だからそこにフォーカスすると決めれない」と。本人にとっては結婚相手を決めるための最大フォーカスポイントだったが、今回の参加者たちにおいてはそこでの甲乙はつけ難いということに気づいて別のポイントでも見ていかないといけないということに気づいた様子だった。

その直後の小田さんのジャグジーデートの対比が素晴らしかった。小田さんは親が不仲だったということをEpisode4でバチェラーとのツーショットで話していて、今回のジャグジーデートでは大人になってから彼氏がいなかったことをバチェラーに告白する。その理由として「相手を完全に信じるのが怖いって思ってる」「好き同士で結婚したけどそうじゃなくなる日が来たら、永遠に続かないのかなと思っちゃったりする」「みゆが心を閉ざして好きになれなかった」と語っている。そのうえで「でもかずきくんと結婚しないって選択肢は絶対できないって思ってる」と言うのである。相手と想い合うことが永遠ではないかもしれないという怖さを知りながらも、それでもバチェラーと結婚したいと語ったその言葉がバチェラーの心を撃ち抜きサプライズローズに繋がっていた。「温かい家庭で育ってきたから私も同じように温かい家庭をあなたと築きたい」というアプローチよりも、「愛し合い続けることは永遠じゃないかもしれなくて怖いけれどそれでも私はあなたと結婚したい」のアプローチの方がバチェラーに響いたように見えて、この日のグループデートとジャグジーデートが一つの物語となって繋がったような気がした。もちろんそれだけでなく小田さんの持つ魅力が総合的にバチェラーに伝わったことが勝因だと思うが、グループデートで私が個人的にモヤっとしいていたものが解消された瞬間だった。

そして、言及しておくべきことは、ラスト2人になるタイミングでの私の推しメン辻本さんの脱落…!「食い逃げされた気分」「他の子が何を今更意思表示を?」「かずきペース配分苦手だからさ」など個人インタビューでは鋭い言葉を使って物語を盛り上げてくれたり、シンデレラローズの話し合いの場で「かずきおかしいよね」発言をしてマウントを取っているとMC陣に言われたり、呼ばれたデートがツーショットデートじゃないことに泣いたりと、正直な姿は愛らしかった。だけどバチェラーの前に行くといつも落ち着いてバチェラーにとって必要な言葉をかけられたり、両親の前でもバチェラーを支えていきたいという姿勢を見せて好感的だったりと、今回のバチェラー6においてかなり重要な人材だと思っていたので、脱落してしまったことは本当に残念でならない。最後に「私も弱いし、彼も弱くて、それでも一生懸命がむしゃらに一緒にここまで進んで来れた」とコメントする辻本さんの没入感のある主人公的言葉のチョイスがまた好きだった。

いよいよもう来週にはファイナルということで、3週間で配信しきるバチェラーのお祭り期間の短さ…!寂しい。小田さんも石森さんもそれぞれに魅力があるが、石森さんが最後に選ばれたとしたら、黄皓さんの時と同様に元々知り合いだった人がやはり価値観も近くて良いのか?!という結果論を強固にしてしまうだろうなと思っている。小田さんが最後に選ばれた場合は、恋愛経験豊富でなくてもバチェラーの隣は手に入れられるという証明になりそうで、どちらが選ばれる展開も期待してしまう。またきっと一週間はあっという間にやってくると思うので、来週に向けて日々を生きる。