
16年ぶりに武道館に行ってきた。前回武道館に行ったのは、2009年の『UCHI博貴 内HIROCKY』じゃないだろうかと思い出した瞬間に、頭の中で『Hi! Hi! HIROCKY!!!』が流れ始める。「Hi! Hi! HIROCKY!!! Hi! Hi! HIROCKY!!! Yeah!!!」と内博貴さんの名前とROCKをかけたHIROCKYという言葉がひたすら繰り返されるこの曲、狂気を感じられて困惑しつつ大好きだった。どうやら今年内くんの楽曲が配信開始されたことにより、この曲をいつでも聴ける世の中になったらしい。最高だ。最後に武道館に行ったのはそのライブだと思っていたが、2010年にもw-inds.のライブとAKB48のじゃんけん大会でも訪れており、実際には2010年ぶりだった。
私がB&ZAIの単独ライブを観るのは初めてだった。ジュニア再編成が起きた2025年2月以降、B&ZAIは他の2グループと比較すると、絶えずライブや舞台やフェス出演などでステージ回数をこなしており、その経験値の積み重ねによりグループが強くなっていくことと、ファンが彼らの姿を見る機会が多いことの両方に羨望の眼差しを向けていた。そして、いよいよ日本武道館という彼らにとって特別な夢の場所に辿り着くというのである。その瞬間を一目見たいと思い、チケットを申し込んでいたがあえなく落選。しかし数日前に制作開放席の案内が届き、B&ZAI初武道館のステージを観るチャンスを得た。
B&ZAIのイメージは「バンド」だと思っていたので、オープニングは良い意味で裏切られた。メンバーカラーのチェックのアイドル衣装に身を包んだB&ZAIが『なつ♡あい』を歌いながら登場する。バンドとしての姿ではなく、ピッカピカのアイドルの姿で眩しい。去年末に行ったSnow Manのライブも『TRUE LOVE』という王道アイドルソングを歌いながらの登場だったが、アイドルが王道アイドルソングを背負って登場することにめっぽう弱いオタクである。B&ZAIの『なつ♡あい』は、この曲自グループに欲しかった…!(本人たちが望むかどうかは別として)、と嫉妬に狂ってしまうほどの良曲だ。この曲の「体温の上昇に名前つけるのなら 恋と名付けよう」を聴くためにB&ZAIのライブを観に行っていると言っても過言ではないので、不意打ち最高の状態でその歌詞に辿り着けて、オープニング早々にこのライブの期待値が爆上がりした。
ジュニアのライブを観にいくようになってつくづく思うことだが、ジュニアのライブのセットリストはSTARTO ENTERTAINMENTのあらゆる先輩方の楽曲の中から選りすぐりの楽曲で組まれているのでとても楽しい。デビュー組グループは、自分たちの楽曲でかつその年に出したアルバムの楽曲を軸にセットリストを組むことが多い。それはコンセプトがしっかり組まれライブが一つの作品として成立していてとても良いのだが、まだ自分たちの楽曲を多く持っていないジュニアが、憧れの先輩たちの楽曲を借りて、自分たちの魅せたい姿を創り上げることにもまた特別な価値がある。デビューしてしまうと、その姿はほとんど見られなくなることを思うと、この時期にしかない儚さを感じる。SMAPの『SHAKE』、TOKIOの『LOVE YOU ONLY』、嵐の『Love so sweet』など、それぞれ先輩たちが生んだ名曲が、一つのライブの中で次々と繰り出されることに何とも言えない興奮がある。
橋本涼さんは、HiHi Jetsとしての姿を知っているので少し寂しく感じるかと思っていたが、人はやはり置かれた環境や場所でまた新たな才能を発揮するのだと強く思った。真ん中に立ってグループを率いる立場になったことで、橋本さんのカリスマ性がより磨かれているように見えた。
矢花黎さんは、一番沼を感じた。矢花さんの才能の軸は音楽にあると思っていたけれど、私が入った公演では最後の挨拶を担当していて、その話し方がとても綺麗だった。言い淀むことなく真っ直ぐと、武道館への思いを語り、メンバーのプレゼンをする姿を見て、矢花くんの言葉をもっともっと聞いてみたいと思った。
今野大輝さんは、これまでまだどんな人か掴めていなかっただけあって、リーダーなんだ!甘い言葉を届けるキャラなんだ!とその全てがサプライズで面白い。今クールのドラマ『その天才様は偽装彼女に執着する』を観ていて、こんぴーってこういうキャラなんだっけと思ったりしていたが、ライブを観て納得の配役だった。
菅田琳寧さんは、元々持っていたイメージとライブで見たイメージに大きなギャップがない。矢花さんが「心配になるくらいムードメーカーでお調子者」と紹介していたが、人柄の良さが表情にも振る舞いにも出ている人だなと思う。それでいてその中心には不思議にキュートさも併せ持っていて、琳寧くんの何にキュートさを感じているかまだ言語化できないでいる。
本髙克樹さんは、早大大学院創造理工学研究科経営システム工学専攻博士後期課程を修了し博士号を取得されたということで、アイドル業をやりながらそれを成し遂げるバイタリティにただただ脱帽。と思っていたが、「MC」という言葉の意味の説明を間違えてみんなに弄られていて、完璧じゃないところがとてもアイドル的だった。
鈴木悠仁さんは、今まで固定されたイメージがなくて、どんな人だろうと思って観ていたけれど、センターに出てきたときに瞬間的に主人公になるときがあると思った。本人がそれに意識的かどうかは分からないけれど、橋本さんが真ん中にいるときとまた違った迫力がグループに出る。それでいてまだ何色にも染まってなさそうな余白があるところが魅力だと感じた。
川﨑星輝さんは、バランスが良い。ロックバンド的に荒々しい姿も見せられるし、とびっきりの笑顔で可愛らしくも見せられるし、ダイナミックなダンスでカッコよくも見せられる。彼が多才さを余すことなく発揮できるのが、B&ZAIという環境なのかもしれないと思った。一つのライブで色々な表情が見られて、名は体を表すということを強く感じた。
稲葉通陽さんは、とにかくかわいい。B&ZAIのメンバーが発表されたとき、一人だけ作画違くない?!と思ったりしたが、他7人のワイルドさを1人で中和できるくらいのマイルドさがある。バンド楽曲でバイオリンの弓を振りながら飛び跳ねて客席を煽っている姿は妖精のようだった。これから何重にも化けそうで楽しみかわいい。
矢花さんが最後の挨拶をした後、みんなで歌ったオリジナル楽曲『Braver』が、NEWS育ちの人間にはめちゃくちゃ刺さる泥臭ソング(褒めてる)でとても良かった。『フルスイング』みがある。ACEesもKEY TO LITもそれぞれのコンセプトがある中で、B&ZAIはその物語性を一つの武器にするという意思表示に思えて、血が騒いでしまった。終盤で致死量の紙吹雪が降ってきて一瞬メンバーが消えてしまうのも良い。日本武道館はできる特効が限られている中で、この紙吹雪に予算が割かれたのだと思うと味わい深い。
そしてB&ZAIファンは声が大きかった。曲中のコールも煽りに対するレスポンスもアンコールも、全て手が抜かれることなく声が出されていた。昨年Aぇ!groupのライブに行った時にも部活動かのような声出しに感動したが、バンドグループのファンは声が大きくなりやすいのか、物語を共有したファンは声が大きくなりやすいのか、ステージ数を踏んだファンは声が大きくなりやすいのか、何か共通項があるのか知りたくなってしまった。ファンがきちんと熱狂を表現できることの大切さを改めてB&ZAIのライブで学んだ。
という訳で感想を書き出したら筆が止まらないB&ZAIライブだった。そしてまた夏にライブをすることがライブ中に発表され、彼らもファンも休む暇なしですごい。私もまたチャンスが回ってくるようであれば、彼らのライブを継続的に観てみたいと思っている。