先日小学校の同級生の女4人でご飯を食べた。季節ごとに定期的に全員で集まるようにしていて、その周期の目安にしているのが「ナイナイのお見合い大作戦」だ。「ナイナイのお見合い大作戦」の放送がある日に一人の家に集合して、全員であぁだこうだ言いながら他人の婚活事情を第三者目線で楽しむ。しかしつい先日の放送日には全員で集まることが出来なかったので、私が録画ダビング係を頼まれていた。私は「ナイナイのお見合い大作戦」をしっかりレコーダーにおさめ、次回の食事会に備えた。しかし行く直前になってから突然魔が差した。ここで私が突然、「キスマイBUSAIKU!?」を持っていったらどうなるだろうか。
全くもって突発的に思いついたことであり、誰にも相談しなかった。私は「キスマイBUSAIKU!?」を直近4週分ディスクに落とし鞄の中に入れた。4週分と言えば、ツンデレキスの回と結婚式直前の回が入っている。間違いない、これは盛り上がる。根拠のない自信に満ちた私は、彼女たちの前で、お見合い大作戦を持ってきていないことを詫びた。そしてその代わりに「キスマイBUSAIKU!?」を持って来たことを告げた。場は私の想像以上に沸いた。「やったー見よう!見よう!」と全員が輝かしい目で私を見つめる。マジか。ジャニーズには絶対的に興味がないであろうと思っていた友人ですら喜んでいた。むしろ毎週見ていた。まさかの「キスマイBUSAIKU!?」視聴率100%。毎週見ているにも関わらず、見よう見ようと沸き上がる友人たちの興奮に私は素直に驚くしかなかった。
結果的に対応のプレイヤーがその家になく見ることは出来なかった訳だが、「キスマイBUSAIKU!?」は女子会に持ち込むと喜ばれるアイテムである、ということが今回の突然の実験から分かった。代わりに全員で「SEX and the CITY」をベタに見た訳だが、「キスマイBUSAIKU!?」と「SEX and the CITY」がいよいよ同じ位置に並んだのだ。「キスマイBUSAIKU!?」もとうとうここまで来たかと感慨深い女子会だった。次回はプレイヤーを持参して、一般女性は「キスマイBUSAIKU!?」をどう楽しんでいるかを観察したいと思っている。
さて、そろそろ本題に入る。今回の「キスマイBUSAIKU!?」のお題は「親友の結婚式の友人代表スピーチ」。これまではどうやって女性のハートを掴むか、が肝となっていて、天性の素質やビジュアルでどうしても評価が左右されてしまいがちだったが、今回のお題はもっともっとシンプルに“マナーをいかに知っているか”が肝となっていたように思う。知性を問われるものだからこそ、普段ブサイク側で評価されがちなメンバーにもチャンスがあったが、結局1位と2位は普段と変わらず、玉森さんと藤ヶ谷さんだった。けれども裏を返してみれば、この2人が「いかに課題に対して前準備の出来る人間であるか」が証明されたということだ。玉森さんはネットで、藤ヶ谷さんは本で、スピーチをする際に気をつけるべきマナーについて事前に調べてこの収録に臨んでいる。たかが「キスマイBUSAIKU!?」されど「キスマイBUSAIKU!?」、普段から二人がこの番組に対して誠実に向き合っていることが今回のお題で説得力を持って証明された。
特に玉森さんは意外だった。1位か7位かで横尾さんと一騎打ちになった時に、大人としての常識を備えているのは横尾さんの方に思えて、玉森さんの7位を一瞬疑った。しかし前々回の結婚式直前に新婦に対して「離婚しないように頑張ろうね」と言った男と同じ人間とは思えない程、堅実にスピーチを行っていた。薄っぺらいように見せかけておいて、大事なところではきちんと仕上げてくる玉森裕太さんには、頭が上がらない。結局、何処で玉森さんがひとつ頭抜けたのか、というのは、こういった仕事への向き合い方なんだろうなと今までで一番腑に落ちた。
みっくんは久しぶりに5位だった。5位と分かった時のみっくんは何か悪いものでも食べたかの様にその場でもがき苦しんでいた。みっくんのあまりの可愛さに嫉妬した魔女が毒林檎を食べさせた時のような苦しみ方だった。魔女、許さん。黒の蝶ネクタイを結んだみっくんは、びっくりする程幼くあどけなかった。あどけないみっくんは、マイクの側まで向かったかと思えば、右と左と正面に礼をして、そのまま帰ろうとした。エンターテイナー北山宏光を見せた場面だ。ここでテロップで「痛い」と出る。何が痛いというのか。みっくんが可愛すぎて胸が痛いのだろうか。それなら私も大賛同だ。みっくんはどうやら新郎と殴り合いの喧嘩をしたらしい。しかも雨の中。だてに「美咲ナンバーワン!!」やってない。「最高のダチです」不良たちが殴り合った結果、たどり着いた結論、最終回としてはバッチリだ。最後にテロップが出る。「主役気取りはやめてください」何を言っているのだろう、今までこの人はみっくんが主役だったことに気づいていなかったのだろうか。これは昔荒れていたみっくんが、殴り合った友人の結婚式で、やっと相手と心を許し合えた最高のハッピーエンドドラマではないか。最後にみっくんは何故かカメラの存在に気づき、吹き出しそうになるのを堪えながら目を逸らし笑っていた。最後にちょっとだけ、自分のスピーチを振り返って気恥ずかしさが込み上げてきた素のみっくんが顔を出していた。