Blu-ray『ARASHI LIVE TOUR 2017-2018 「untitled」』

ARASHI LIVE TOUR 2017-2018 「untitled」(Blu-ray通常盤)

ARASHI LIVE TOUR 2017-2018 「untitled」(Blu-ray通常盤)

あれは確か5年以上前だったと思う。当時某グループがアリーナクラスからドームクラスへステップアップするにはどうしたらよいかということをTwitter上でジャニヲタと議論していた(あの頃はよくジャニーズにまつわるあらゆることをTwitter上で議論していた気がする)。そんな中でとあるフォロワーさんから「やはりライブの面白さが集客には必要じゃないですか」というリプライを頂いたことがあった。その方のプロフィールを見に行くと嵐のファンだった。その意見は最もな意見だったが、まるで某グループのライブが面白くないと言われたようで悔しく切ない思いをした。当時の私はジャニーズどこのグループのライブに行ってもそこまで大きな差はなく、集客にはやはりメディア露出が大事だと思っていた。その嵐のファンの方が嵐のライブを誇らしく思っていたことを本質的には理解できていなかった。

私は嵐のファンクラブに入ってはいないが、ご縁があり2009年『ARASHI Anniversary Tour 5×10』、2015年『ARASHI LIVE TOUR 2015 Japonism』には現場に足を運んでいて、2014年『ARASHI BLAST in Hawaii』はライブビューイングに足を運んでいる。また、DVDは『ARASHI LIVE TOUR 2014 THE DIGITALIAN』を所持している。最初に見た2009年時点で既に嵐は国民的アイドルの座に就いていて、それ以降その座を守り続けている。後輩グループのファンからすれば、後ろが詰まって来ているので、そろそろその座を譲って欲しいという想いがどこかにあるかもしれないが、嵐はその座を譲るどころかますます人気を強固なものにしている。上記のライブを見た時も、後輩が追い越すべき壁は高くて厚過ぎることを感じた。

そんな中、2017-2018年の『ARASHI LIVE TOUR 2017-2018 「untitled」』のBlu-rayを購入することにした。きっかけは初回盤に収録されている「嵐の嵐会」を見るためだった。ジャニーズが自分たちのグループのライブを見ながら「ここ演出最初はこうだったよね」とか「ここはお客さんの反応が想像と違った」だとか、制作秘話を語る姿を見るのが大好物で、他のグループのDVDに特典でそれが付くと聞けば飛びついて来たけれど、嵐については演出を務める松本潤先生の解説がより一層楽しみで、本人たちがVS嵐で「松潤と見るの楽しかった」と言っているのを見て即予約した。

で、実際に見たのは発売直後で、今なんとそこから半年以上もこのブログを書く書く詐欺で通して来たので、臨場感溢れる発売直後の感想はこちらのツイートたちを見て欲しい。







最後のツイートに書いてある通り、あまりに素晴らし過ぎてジャニヲタでない友人宅にこのBlu-ray2回持参したくらい、何だか打ちのめされてしまったのだ。その迫力の要因は恐らくステージ上にある巨大スクリーンで、本来他のグループのコンサートではセットが組まれているメインステージの背面がすべてスクリーンだったのだ。何ならセットより大きいかもしれない。そこに映し出される映像は、東京ドームの最上階の最後列の人でも双眼鏡を必要としない程の大きさで嵐を映し出す。ジャニヲタが一生懸命お金を出して高倍率の防振双眼鏡を買い漁っているところを、嵐が「どこからでも大きく見えるようにしておきましたよー」とサラッと問題解決していく。天才。

しかしじゃあその巨大スクリーン評判良いから全グループのライブで取り入れましょうと言ってもそうはいかず、元々準備されている予算の違いで恐らく嵐にしかできない所業。ライブを作るためのお金が沢山ある→素晴らしいライブが作れる→客ははちゃめちゃに楽しめる→リピーターが増える→お金が増える→ライブの予算も増える→素晴らしいライブが作れる・・・の無限ループ。これでは嵐がトップの座を譲る日はまだまだ来ないという絶望と、嵐がまだまだトップで居続けてくれるぞという希望。何より「体感チケット代」が倍以上に感じられたのも自分の中で初めての感覚だった。よくジャニヲタは自担の生存確認ができるだけでチケット代払う価値があると言ったりするが、私は嵐に特別好きなメンバーがいる訳ではないし、何なら現場に足を運んでいないし、実際のチケット代を払ってもいないのに、Blu-rayを見ながら「このライブのチケット代は3万円が妥当」と感じたのだった。それくらいの費用がかけられているとも感じたし、いくら5万5千人を収容するとは言え、それくらい受け取らないとライブが赤字になるのではと感じるレベルでお金がかけられていた。実際の収支は分からないにせよ、他のグループとは違うお金の動き方をしていることは明らかだった。

数年前リプライを送って来た嵐ファンの方が嵐のライブを誇りに感じていたことが今になってよく分かる。嵐のライブを見たら他のグループのライブに物足りなさを感じてしまうのではないかという恐ろしささえ感じる。勿論それぞれに良さがあって甲乙はつけられないのだけれど。社会人生活も長くなると、彼らの仕事に対する姿勢をスケールは違えど、自分と重ねてしまうことがある。会社から用意された資金と時間を使って最大公約数を探していく作業。どこかで妥協したり、無駄を作ってしまうと、最大公約数には辿り着けない。その作業が出来る才能と、一緒に働くチームとしての「嵐」が同じ方向を向いていること、互いを信頼し合っていることに、猛烈に羨ましさを感じた。この『untitled』を見るまで、嵐に対して感じている嫉妬心をしっかり言語化したことがなかったけれど、彼らの仕事をこなす安定感みたいなものに私はずっと嫉妬していたのだと気づいた。

また今年は20周年ライブとしてドームクラスで50公演こなすという。嵐のチケットは全然当たらない…!と嘆くファンに向けて「全員が来れるように公演数用意しておきましたー」ってまた嵐がサラッと問題解決していく。天才。(2回目)楽してても稼いでいける世界のはずなのに、自分たちの気力も体力も削って問題を解決する姿勢、見習いたい。プロフェッショナル。私もご縁があれば行ってみたいと思うけれど、きっとまた猛烈に嫉妬して、猛烈に感動してしまうのだろうなと思う。私も、嵐になりたい。