「ウーマンラッシュアワー村本の大演説 in高知」に行って来た

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きっかけはAKBINGO!だった。暫く見ていなかったAKBINGO!は、いつの間にかMCのバッドボーイズが卒業し、ウーマンラッシュアワーに変わっていた。私はウーマンラッシュアワーのことをそこまで良く知らないけれど、何だかネットは荒れているらしいという噂だけ聞いていた。これまで愛してきた形が崩れることを嫌う人が多いのは、何処の世界も同じなので私もよく分かるけれども、AKBINGO!がどんな風に変わったのか自分の目で確かめたくて、久しぶりに視聴を再開したのが数週間前のことだった。

新しいAKBINGO!は、ウーマンラッシュアワー村本さんのゲスさとアイドルの清さが良い具合に絡み合って、私は斬新で面白いと思った。アイドルらしい振る舞いをしていたいアイドルたちが、村本さんの意地悪なトークによって、人間らしい部分を剥き出しにする瞬間が何度もあって、これまであまりバラエティ番組で活躍するイメージの無かったメンバーたちに、次々と番組内でのキャラクターが付いていく様が見事だなと思った。劇薬が過ぎるかもしれないけれど、楽屋での様子を隠し撮りされたメンバーたちが「村本さんは優しい」と応えているのを見る限り、しっかりフォローされていることも分かる。そこから急激に村本さんのことが気になり始めた。

そんなタイミングで村本さんのトークライブが高知であることを知り、チケットを取るため急いで周りの友人に声をかけてみた。最初の友人には「興味ない」と断られ、その次の友人には「村本苦手」と断られ、そのまた次の友人には「生理的に受け付けない」と断られた。断り方が残酷。仮にも相手が興味を持って見に行こうとしているライブの誘いである。もう少し気を遣ってくれよ、と断った友人に伝えたら、「予定がある、っていう理由で嘘ついて断ってしまったら、興味はあるけど予定があると思われてしまいかねないので、村本には一切の興味がないことを言っておきたかった」と、凄まじい潔癖具合を披露された。村本さんの嫌われ者役を実感した出来事だったが、お笑い好きの友人が同行してくれることになり、晴れて私はお笑いライブデビューすることになった。

事前に周辺の友人たちと上述のようなやり取りをしたという経緯もあったことから、村本さんのためだけに足を運び、村本さんの一挙一動に何度でも笑うお客さんで埋まった会場は、奇跡か何かのようにも思えるし、当然のことのようにも思えた。村本さんはテレビと同じく短い時間に沢山の言葉を紡ごうと早口で喋る。普段私は録画した番組を1.3倍速で見るけれど、それと似たようなリズムで進んでいくトークは、とても心地よく、次々と展開されていく独自の理論に頭を追いつかせていく作業は、シンプルに楽しかった。

テレビショーでは嫌われ者役というイメージの強い村本さんだけれど、それは相対的に見た時に村本さんの意地悪さに目がいってしまうだけであって、単体で見る村本さんはとても人間らしくて正直者で、想定外の「かわいい」という感情に行き着いた。私は村本さんの悔しさをガソリンにしてやる気を出す生き方が好きで、以前すべらない話に出た時に自分が話したネタが全然ウケなかったので、そのオンエア前にあった自身のトークライブで、他の出演者が笑いをとっていたネタを全て自分のネタのようにして話し、どのネタが一番面白かったかアンケートを取った話が好きだった。結果、自分の話が一番面白くなかったというのがオチだったけれど、そこまでやる執念というべきか熱心さというべきか、負けず嫌いで人間らしさが溢れている村本さんのことを、一夜にしてすっかり好きになって帰って来てしまった。

あとトークライブ中の村本さんはスーツスタイルだったのだけれども、喋っている内に暑くなり、ジャケットを脱ぎ、ネクタイを緩め、腕まくりをする、というスーツ三大萌え要素をしっかりと押さえて来ており、確信犯ありがとうございますという感じだった。お笑いライブは初めてだったけれども、座席にアンケート用紙が置かれていて、どの話が一番面白かったかを書き込む欄が設けられていた。それは本人が全て目を通すという記載もあって、お笑い好きの友人はこのアンケート用紙にびっしりと書き込むのが常らしく、私が行くアイドル現場にはない文化で面白いなと思った。ファンレターすらもあまり書かない私は、好きな対象が読むことを前提としているものに好きだという気持ちをぶつけることにあまり慣れていないけれど、当たり障りのない文章でアンケートに今日とても楽しかったということを書き込んで来た。

アイドルのコンサートと比べるとチケット代も安く(その分時間は短いけど)ミーハー心でお邪魔して来たけれど、色んな発見があって楽しい体験だった。帰宅して感想を呟いたらすぐに村本さんに引用RTされており、さすがエゴサーチ芸人。


Amazonでポチった『村本論』が届いたので拝読します。
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