あまりに何の予定もない4連休だったので前日に思いついて「モーニング娘。'14 コンサートツアー秋 GIVE ME MORE LOVE ~道重さゆみ卒業記念スペシャル~」香川公演に行って来た。前日にチケット探してみよう、と呟いたその1時間後にはフォロワーさんから「チケット余ってるので引き取って貰えませんか?」というリプライが届いて迷う暇もなく行く事になった。道重さんの最後のステージは今月下旬の横浜アリーナ公演となるが、私はその現場に足を運ぶこともライブビューイングに行く事も出来ないので、モーニング娘。としてのパフォーマンスをする道重さんを見るのは今回が最後となる。特別熱心に道重さんのことを追いかけて来た訳ではないが、道重さんのここ数年のモーニング娘。リーダーとしての功績を思うと寂しがらずにはいられない。サンポートホール高松を出た後は、冷たい夜風に触れながら「さゆ~~~~~~!!」と叫びたい気分になった。
2002年末から翌年頭にかけて行われたオーディションに合格し、道重さんは第6期メンバーとしてモーニング娘。に加入した。道重さんより年齢がひとつ上である私はその頃既に中学生だったが、小学生の時に一緒に休み時間にLOVEマシーンを踊っていた仲間たちが一気にモーニング娘。離れをしていく中で、私はまだモーニング娘。が好きだった。そしてアイドルになれる者となれない者の間には大きな溝があるということを悟り、自分をなれない側の人間にカテゴライズすることが出来るようになったのもこの頃だった。オーディションで選ばれた第6期メンバーは、まるで3つ子ちゃんかと思う程全員もれなく可愛らしく、その中で最も自己主張が少なそうに佇んでいたのが道重さんだった。「シャボン玉」では台詞担当だった道重さんは、画的に美味しいポジションではあるものの、台詞を言った瞬間にパッと割れて消えてしまうシャボン玉の様に儚かった。
やがて私は高校生になり、大学生になり、モーニング娘。のことを追いかけなくなった。テレビに出なくなった彼女たちが今どんな活動をしているのか、知る術がなくなったと言った方が正しいか。けれども大学生になって改めてアイドルに興味が湧き始めた頃、テレビに道重さんが出ているのを発見した。あの頃大人の前では弱々しく発言することしか出来なかった道重さんが、堂々と「私が一番可愛い」と主張していた。その発言は女性共演者から疎ましがられ、嘲笑され、やがて一般女性が選ぶ「女が嫌いな女性芸能人」に道重さんはランクインしていた。「女が嫌う女」というのはその美しさを武器に異性に媚を売る様な女を言うのであると思っていたので、道重さんが故意に披露している痛々しさとは別物ではないかと思ったが、何故彼女が一人で身を削ってまでして戦っているのか、後々その真意を知ると誰も道重さんのことを嫌うことなんて出来なかった。
やがて私は大学を卒業し社会人となった。中学、高校、大学、を経て、私が大人の階段を昇っている間も、道重さんはずっとモーニング娘。だった。10年以上の月日が流れアイドル情勢も様々に変化を遂げてきた中で、道重さんはずっと定点からこのアイドル界を眺めて来た。そしていよいよ彼女がモーニング娘。の舵を切り始めてから、モーニング娘。は再度見直されるべきアイドルとして浮上した。キャリアも年齢も他のメンバーと比較すると頭ひとつ分抜けている道重さんが、彼女たちを引き連れて大海原へ飛び出して行こうとする姿はかっこよかった。本人が得意とするのは、甘く可愛らしい女性らしいパフォーマンスであると思うが、それとは真逆のフォーメーションダンスでモーニング娘。に付加価値をつけた。これであれば彼女自身が卒業した後も、突然大幅に価値が下がる訳ではない、後輩たちだけでも舵を切れるような状態まで持って行った上で卒業する道重さんは優しくて賢くてかっこよかった。
そんなことをサンポートホール高松でずっと考えていた。中央で光を浴びる道重さんは酷く美しく「女神」以外に相応しく言い表せる言葉が見つからなかった。「私が一番可愛い」と言って世間に強烈なインパクトを残していた数年前の道重さんだが、本当の彼女は誰よりも人の美を愛せる人で、メンバーのことを何度も「可愛い」と口にしていた。道重さんからたっぷり愛情を受けた現メンバーたちは、今後この道重さんの功績を簡単に無駄にすることは出来ないというプレッシャーの中で戦わなければならなくなるが、現メンバーの中からも道重さんのように大成していく人が出て来てくれると嬉しい。いよいよ本当にモーニング娘。から「思い出の象徴」がなくなることに、寂しさと期待が入り混じっている今日現在だ。
モーニング娘。を生で見ると決まって涙が出る。他のアイドルを見に行っても涙が出ることはあるが、それはじわじわと本物の彼女たちを直に見ているという感動が順番に押し寄せてくる涙であるが、モーニング娘。の場合はもう条件反射の様にすぐに涙が出る。しかも毎回。形は変われど幼い頃に夢見た「モーニング娘。」という存在が目の前にいることに、身体が反射的に震えているのかもしれない。考える間もなくコンマ1秒で溢れ出てくる涙を今回も我慢しなかった。あと何回私はモーニング娘。を見て涙を流せるだろうか。モーニング娘。をもう一度見直すきっかけを与えてくれた道重さゆみさんに最高の感謝を。
以下。公演後のツイート。
さゆ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜꒰༎ຶ﹏༎ຶ๑꒱
— あやや (@hraom) 2014年11月8日
道重さゆみさんの圧倒的美を前にして人間辞めたいターン。ネガティブな自己嫌悪の意味でなく輝かしい彼女をもっと輝かせる為の闇となりたい。彼女のことをじっとりと「さゆみちゃん」って呼びたい。何だ、何なんだ、この気持ちは。
— あやや (@hraom) 2014年11月8日
道重さゆみ卒業記念ペンライトはそのビジュアルの可愛らしさの他にこれを振りかざしたら何かになれる、月野うさぎがムーンスティックを振りかざすとセーラームーンになれた様に、道重さゆみペンライトを振ると何者かになれる、そんな魔法がかけられている気がして買ったんだ。
— あやや (@hraom) 2014年11月8日
現体制のモーニング娘。を見るのは3回目だったと記憶してるけど3回とも全部登場だけで涙が出てる。他のアイドルでも涙が出ることはあるけどモーニング娘。見た時は登場から涙が出るまで感動プロセスを踏まずに時差なく瞬間的に涙が出る。何に感動してるのか自分でも考える暇なく涙が先に来る。
— あやや (@hraom) 2014年11月8日
さゆみちゃんは女神。さゆみちゃんはその美しさを持っているだけで価値があるのにそれを自ら言葉にして発し人の意識の中へ強引に飛び込み自らの美を売ってまでして仲間を明るみに連れて行った女神。本当は自分が一番人の美を愛することが出来るのに嘘をついていた優しい女神。
— あやや (@hraom) 2014年11月8日
鞘師さんと小田さんのユニット曲、どちらも互いを殺さない、鞘師さんに無いものを小田さんが持っていて、小田さんに無いものを鞘師さんが持っていて、溶け合う事もなければ飲み込み合う事もない、完全分離を遂げつつも、何処か遠くで繋がっている気がする、そんなパフォーマンスだった。
— あやや (@hraom) 2014年11月8日
3階席だったのでモニターに映るメンバーの顔を見ていることが多かったのだが、後半、あの数年前SSAで卒業発表をした時の美しい前田敦子さんがいると思ったら、その正体は髪の毛を後ろに結んだ工藤遥さんで、改めて工藤さんの超絶美少女っぷりに酔った。ちょっと赤く染まった頬がまた麗しい。
— あやや (@hraom) 2014年11月8日
12期全員超可愛いハアハア
— あやや (@hraom) 2014年11月8日
昨日飯窪さんのお誕生日だったからアンコールでハニー色のペンライトを振ってはるなんコールをしたのだが登場した飯窪さんが目を潤ませてる姿が美しくて声を震わせて挨拶してるのを見てものすごく心が洗浄された。
— あやや (@hraom) 2014年11月8日
私はやっぱり小田さくらさんが好きだ。彼女が歌うとステージの色が変わり彼女が笑うと年齢を超越した妖しさに包まれる。同期という仲間を持たずして颯爽と先輩の間を横切り歌唱面での支柱となった小田さくらさんが好きだ。彼女の目は情熱と冷静の間でしっとり燃えている。
— あやや (@hraom) 2014年11月8日
さゆみちゃんの卒業した世界はきっと物足りないだろうけどさゆみちゃんが退いた穴を埋める様にまた誰かが才能を発揮し始めるかもしれない可能性に夢を見てるしさゆみちゃんが創り上げた物を簡単に譲る訳にはいかない現メンバーのプライドもあると思うので前向きに14から15への発展を楽しみにしてる
— あやや (@hraom) 2014年11月8日
「わがまま 気のまま 愛のジョーク」はライブで聴く度に鳥肌が立つ良曲だなと思って何てったってアイドルに「愛されたい」って歌い叫ばせるセンスに痺れるし最後の「愛されたい」をディーヴァ小田さくらさんに歌わせるでなく佐藤優樹さんをチョイスしてることにも毎度感動する。
— あやや (@hraom) 2014年11月8日