ジャニヲタ初めてのパーソナルカラー診断レポ

「パーソナルカラー」という言葉を初めて知ったのは数年前だった。「自分に似合う色が分かるよ」と友人がインターネットの簡単な質問に答えて、パーソナルカラーを診断してくれた。けれども途中で質問の回答に困った。瞳の色は薄いか濃いか。居酒屋の薄暗いライトの下では正確な色の判断が出来ず、診断は断念した。友人の厚意はありがたかったが、正直、自分に似合う色なんて何でも良かった。私は私の好きな色を身に付ける。自分の好きな色を似合う色にしてみせる。謎の自信に満ちていた私は、当時そこまで「パーソナルカラー」というものに興味が無かった。

そこから数年が経過し、再び「パーソナルカラー」という言葉を耳にし始めた。Twitterでもよく見かけるようになったし、ファッション誌を開けば「イエベのあなたにオススメなのはこれ!」等と、イエベかブルベか立場を明らかにしなければ、ついていけなくなった。そんなことを言われても、自分に似合うものよりも、自分が好きなものが好きだし、担当のいるコンサートには、担当カラーの衣服を纏っていくことが多い。それが自分が数年来信じてきた色の選び方で、新たな信仰に心を揺さぶられることに幾分か抵抗があった。しかし世はシーズンタイプまでとは言わずとも、イエローベースなのかブルーベースなのかくらいは明らかにしなければならない風潮である。私は私が好きなものが自分の似合わないものだと判断され、それを諦めなければならない事態を恐れていた。

そんなメソメソした気持ちで、軽く会社の先輩に相談したところ、先輩はパーソナルカラーについて講習を受けに行ったこともあるレベルに熟知されていた方で、私はほんの軽い気持ちで相談したのだれど、パーソナルカラー診断を受けた人特有の「凄く洋服を選びやすくなって楽しくなったよ!」というハッピーオーラにやられてしまった。パーソナルカラー診断を受けた人全員が、人生変わったと言わんばかりに、みんながハッピーオーラに包まれているのが、私は妙に恐ろしかった。自分の好きなものより、自分に似合う色を素直に受け入れられるみんなのことが羨ましかったのかもしれない。その先輩からは、「あややさんは青みピンクが似合うから、絶対ブルーベースよ!」と言い切られて、ますます恐ろしくなった。

私はイエベ春に選ばれたかった。ブルーベースの爽やかさも素敵なのだが、私はイエローベースの穏やかな春になりたかった。あんなにパーソナルカラーという信仰に惑わされないぞと意気込んでいたのに、すっかり自分もその枠組みの中で憧れのシーズンが出来てしまったのだ。私は春が良い。けれども思い返してみたら、青みピンクを身につけている時に褒められることが多いし、オレンジっぽいリップよりも、深いピンクの方が顔に馴染んでいる気がする。私は先輩に言われた通り、ブルーベースなのかもしれない。そんなの嫌だ。僕は嫌だ。パーソナルカラー診断前夜は、組み分け帽子を被る直前のハリーポッターのような気持ちで、粛々と自分の属性が決まる瞬間を待った。

診断は元々一人で行くつもりだったが、前日になって捕まえた藤ヶ谷担の同期を一緒に連れて行った。彼女はコンサートの時に藤ヶ谷さんのメンバーカラーであるピンクは似合わないからと身に纏わず、逆に藤ヶ谷担でも無いのにピンクを身に纏う私とは、全く見た目のタイプが違っていた。それは着くなりアナリストから指摘された点で、「でもタイプの違う人と来た方がこれは絶対面白いのよ!自分に似合わない色が友達に似合ったり、逆も然りよ!」と言われて、それは単純に凄く楽しみだった。

私が受けたのは、高知でパーソナルカラー診断と検索したら、一番目に出てくるところで、料金は4,000円。パーソナルカラー診断は、料金もピンキリで、内容も色々あると聞いてはいたけれど、アナリストの方はまず自分の経歴から説明をしてくださり、またパーソナルカラー診断自体も、教えてもらう先生によって方法が異なっており、診断も先生によって違うことがある、ただその方法が大きくかけ離れているということは無いので安心して欲しい、というような話をしてくれた。またそこでは、春夏秋冬の4タイプに分けた後、セカンドタイプがどれにあたるかも診断してくれるとのことで、4×3=12通り、また夏タイプの人でセカンドも夏という診断になる人が稀にいらっしゃるということで、12+1=13通りのタイプに診断してくれるということだった。

その際にアナリストの方が「Spring」「Summer」「Autumn」「Winter」と連呼するので、私の頭の中の少年隊が『湾岸スキーヤー』を歌い始めてしまって、それは診断が終わるまでずっと続いた。季節をなぞっているだけの歌詞が、まさかこんなタイミングでぴったり状況とマッチングするとは。誰だよこんな歌詞考えたのは、と歌詞検索したら、秋元康大先生である。まさかパーソナルカラー診断に来てまで、秋元康のパワーに慄くことになるとは。
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さて、頭の中で少年隊を飼いながら、まずは私から診断してもらった。診断方法はドレープという布を順番に顔の下にあてていき、自分の顔を一番綺麗に見せてくれる色を見極めていくという方法である。この時濃い色は見た時に残像として残りやすい色になので、正確に色を判断するために薄い色からあてていく、ということを教えてもらい、なるほどと思った。まずはピンクからあてていくということで、先に好きなピンクを聞かれたけれど、私は青みピンクが好きなので、迷わずWinterのピンクを指した。結果はいかにと、アナリストが私の顔の下にあてたドレープを順番にめくっていく。その様が何だかサーカスを彷彿とさせて面白かった。そんな雑念があったからか、ドレープがあっという間に4パターン過ぎ去ってしまい、私はどの色が自分の色に合うか、ちんぷんかんぷんだった。私が好きだったWinterの青みピンクは、私の肌をどうやら青く見せてしまうらしく、「病気みたいになってしまうでしょ」と言われた。言われてみれば確かにそうかも、と思ったけれど、正直自分の顔にどの色が合うのか、私は壊滅的に鈍感なのかもしれないと思った。その後も、アナリストの方が「これは綺麗ね」と言う色と「んー、ちょっと違うね」と言う色の差がよく分からず、「自分でも分かるでしょ?」と言われた時、鈍感かもしれませんという自己申告は出来ず、分かったような振りをしてしまった。そこは素人なのでしょうがあるまい、勉強されている方にお任せしてしまおう、とそこからの判断は全て委ねた。

結果、私のファーストタイプはSpring、セカンドタイプはSummerだった。Warm Lightというタイプにあたるらしい。
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そう、私は念願の春タイプに選ばれたのである。自分はブルーベースだと思い込んでいたけれど、イエローベースの春に、春に、選ばれました!ありがとうございます!春メダル授与式を受けたい気分で、説明を聞いていたが、私は春と夏のどちらも強く、ファーストとセカンドの差はそこまで無いと。肌の色がピンク系なので肌の色で見ると夏になるけれど、全体の雰囲気を見ると春が強くなると言われた。その次が秋、そして冬はかなり差が開いて一番遠いと。当日私は黒の服を着ていて、そんな無難な色が似合わないなんてことが無いだろうと思い込んでいたが、実は黒は私にとって苦手な色だったらしく、黒を身に纏うのであれば、顔周りに春の色をプラスした方が良いとアドバイス頂いた。先々週の祖父が亡くなってからの数日間、黒の服を持っていて良かったと安堵していたのに、私に黒が向いていなかったとは。そして、私が好きなワインレッドやボルドー等のカラーも、合わないことが判明した。しかし秋から冬にかけて出回るボルドーカラーって、めちゃくちゃ可愛い。この辺は、付き合い方を考えていきたい。春タイプの芸能人の一覧を見せてもらったところ、水ト麻美アナウンサーの名前を見つけて膝を打った。最近コンパで水トちゃんに似ていると言われることが何度かあったので、その他人からの評価はあながちズレていなかったのだということを実感した。

続いて、藤ヶ谷担。彼女の私的予想は、Autumnタイプだったのだが、立場が変わって人がドレープをあてられている様子を見ても、依然として私は違いがよく分からなかった。視覚センスがポンコツなのかもしれない。けれども山吹色(正式な色名ではない)をあてられた時の彼女の顔が、一気に華やぐのを見た時、これか!と思った。私の顔に山吹色をあてても、私の顔はびくともしなかったのに、彼女の顔を山吹色は綺麗に照らしていたのである。これは絶対Autumnね!と確信していたら、彼女のファーストタイプはSummer、そしてセカンドタイプがAutumnだった。Softと呼ばれるタイプで、彼女がその日着ていた服もまさにそれにぴったりのカラーだった。一人で行ってたら、SpringとSummerなんて日本人の大多数があてはまるのでは、なんて思いながら帰っていたのかもしれないけれど、SummerとAutumnという自分とは違うタイプの人の診断も見れたのはとても楽しかった。

その後に、持ってきていたオペラのリップティント8色の内、自分に似合う色はどれか選んでもらった。
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左から、01番レッド、02番ピンク、03番アプリコット、04番オレンジ、05番コーラルピンク、06番ピンクレッド、07番ピンクフレイズ、08番バーガンディキス。私は最近限定発売となった08番のバーガンディキスの深みのある赤をかなり気に入っており、この数週間何度も塗りたくっていたが、08番を見るなり「これは合わないわね」と一刀両断されてしまった。ぎゃん。確かに春の付ける色ではない。でもこのリップを塗りたいから冬終わらないでくれ、と願っていたくらいなんですよ!(この場合の冬は今現在の季節の冬です、ややこしい)としがみつきたい気持ちを抑えながら、01番レッド、02番ピンク、07番ピンクフレイズ辺が良いのではとアドバイス頂いた。元の唇の色もあるので、コスメは商品だけを見せてもらっても分からないことが多く、塗ってみた感じを見て判断したいとのことだったので、これからパーソナルカラー診断に行く方のご参考までに。

という訳で、行く前はパーソナルカラー診断に縛られることの恐さがかなりあったけれど、そこまでの強迫観念は現時点抱いてなくて、自分の色彩感覚が鈍感ならば、まずは選んで頂いた通りのカラーに従順に従ってみようという心持ちである。それが結果的に良い思い出を生み出してくれれば、私のパーソナルカラー信仰も深くなるだろうし、結局診断を受けた後にその情報をどう活かすかが重要だよなと思っている。これまでパーソナルカラー診断に行った友人たちも、自分がこうかなと思っていることの答え合わせだと言っていたので、確かにそれで安心できるところは大きい。主観と客観のズレが無いかを確認するためのパーソナルカラー診断。少年隊の湾岸スキーヤーと共に是非。