DVD「リッチマン,プアウーマン」

ちょっと生活スタイルが変わって来ている。別に転職したとか引越しをしたとかそういうことではなくて、今までと生活環境自体は何も変わらないのだけど、少しだけ今までより仕事が忙しくなってまたそれが充実していることから、帰宅してジャニーズを摂取する時間が少なくなった。そこには仕事が遅くなってしまって摂取出来ないという物理的な問題と、仕事をしたという充実感で気持ちが満たされて敢えて摂取する必要が無くなって来たのかもしれない気持ち的な問題とがある。ストレス量が減った訳ではないが、今まではストレスを感じることは自分にとって不幸だから、その部分を補給するようにジャニーズを摂取して幸せを注ぎ込んでプラマイゼロにしようとしていたと思うが、今は何となくその必要が無くなって来ている。これが一時的なものなのか継続的なものなのかは現時点で分からないけれど、ここ数年毎日のように追いかけていたものを追いかけなくてもよくなったのは何だか面白いなと思って、自分のことながらちょっと楽しんでいる。

ヲタク活動へのこだわりが無くなると、突然浮いたように時間が出来るのだけど、今まではそこで何をしたらいいのかよく分からなかった。ヲタクじゃない人たちはどうやってこの膨大な時間を潰して生きているのだろうと思っていた。そこで参考にしたのがInstagram。友達のアカウントを舐め回すように見ていたら、みんな結構DVDを借りて見てる。TSUTAYAでDVDを借りて見る機会は勿論これまでもあったけれど、いずれもジャニーズが出演しているドラマや映画ばかりで、またほとんど義務的に見ているものが多かった。ジャニーズが出ているものばかり追って見て来たので、ジャニーズが出てないものにはすこぶる疎く、「あのドラマ、良かったよね」という女友達の話についていけない時もしばしばあった。

その一つが「リッチマン,プアウーマン」だった。「失恋ショコラティエ」を見てから、石原さとみの可愛さに釘付けになってしまった私は、女友達が憧れの芸能人の話を出す度に、石原さとみの話をしていた。その時に「リッチマン,プアウーマン」が良かったという話が度々出ていたけれども、当然のことながらジャニーズの出ていないドラマは後回しで全然見る気がなかった。そんなことをTSUTAYAに行った時にふと思い出し、いい機会だから見てみようと思って見始めた。

動機は「可愛い石原さとみが見たい」だったので、作品自体のハードルは低く設定していたけれど、「可愛い石原さとみが見たい」は早々にクリアしてしまい、何なら今まで特別好きではなかった小栗旬の魅力に気付いてしまった。「花より男子」の花沢類を見て「小栗旬、超かっこいい」と目をハートにしている同級生たちを見て、「あれは花沢類を演じているからかっこいいのであって、小栗旬そのものがかっこいいかどうかはまた別の話だ」なんて言っていた当時の私に言ってやりたい。「リッチマン,プアウーマン」でベンチャー企業の社長・日向徹を演じている小栗旬、めちゃくちゃにかっこいいぞ。役に騙されててもいいから、小栗旬かっこいいぞ、と。カリスマ性があって常人では思いつかないような発想力があってちょっと横暴ででも世の中の為になることを模索していて、でも恋愛になると途端に不器用で子供になって無邪気になる。「信長協奏曲」を見た時に思ったけど、この「無邪気になる」を小栗旬にやらせたら絶品だと思った。

さとみは相変わらず可愛かった。瞳はまあるくて、鼻筋も女性らしい丸みを帯びたラインで、唇は誰もが知ってのとおり腫れぼったくて分厚い。顔の造形から来る可愛いオーラは勿論のこと、私は彼女の「本意を隠す時の演技」が好きだ。目を泳がせながら視線は少し下、ちょっと低音の笑い声と曖昧な笑顔で、「そうですよね」って言いながら、相手を傷つけないように自分の笑い声で何とか相手を笑わせようとする演技。あの瞬間に、ヒロインがとても気の遣える可愛らしい女子に変身してしまう。足元はバタバタとその辺りで足踏みするように動くのがまた可愛い。多分現実世界であの仕草をやろうとすると、ものすごく胡散臭くなってしまうのだろうけど、ドラマの中で石原さとみがやるからこそ成立している仕草のような気がする。

と最終回を見終わって、興奮覚めやらぬ状態でAmazonでこのDVD-BOXを検索していたら、何とスペシャルドラマのDVDも出てるじゃないですか。私の最寄りのTSUTAYAにはこのスペシャルドラマ版のDVDは置いていなかったので、明日からはそれをどうやって見るか考えなければならない。これまで目を向けて来なかった作品に出会うことは楽しいし、これまでのように肩に力を入れて見る必要もないので、新鮮な感覚で楽しんでいる。いつまでどうなるか分からないけれど、暫くこんな調子で。