ビール女子になれない私たち

はぁ、ガッキーになりたい。水曜ドラマ『獣になれない私たち』を見ながら毎週のように思う。ドラマ自体も面白くて毎週楽しみに見ているのだが、その中に登場するビールが毎度美味しそうに光る。仕事終わりのガッキーがそれらをグイっと飲み干す姿には、女ですらも恋してしまいそうな魔力がある。あぁ、ガッキーになりたい。

そもそも私はビールが飲めない。お酒が飲める年齢になってから10年経つが、ビールのことを一度も美味しいと思ったことがない。舌の上を通過する時に口の中に充満する苦み、喉を通っていく時にも炭酸のシュワっとする感覚に必ず力んでしまい、毎回一口ずつ飲んでは「分からん」「ビール分からん」と唸ることになる。結果的に、この10年飲みやすいカクテルやサワーばかり呑んできた。

カクテルやサワーばかり呑む女の視点から見ると、ビールを頼む女は眩しい。ビールを呑む女からは「カクテルとか頼むの可愛いね」と言われたりするけれど、こちらからしてみればビールジョッキを持って豪快に呑める女の方が絶対に楽しい。最初の一杯を注文する時、「とりあえず生で」って私も言いたい。幹事の「生の人~?!」に元気よく挙手したい。カクテルやサワーを頼む女はそういった場面で、みんなの手を止めてしまうし、店員さんに別途注文をすることになり手間暇をかけてしまうという後ろめたさがずっとある。周りはそこまで気にしていないだろうけど。

また私には「高知の女に生まれたからには」というプライドもある。県外の人に「お酒は結構呑めますか?」と聞かれて「普通です」と答えても、「高知の人の“普通”は、結構呑めるってことだね」と曲解されてしまう。勝手に出来上がってしまった「高知出身の呑める女像」にお応えしなければという謎の使命感に駆られていることもあり、ビールをグイっといける女になりたい!とここ数週間切実に思うようになった。お酒に呑まれるのはよくないけれど、今のところ私はお酒でした失敗経験が特にない。

Instagramを眺めていた時に、ふと目に飛び込んできた理想のビ―ル女子がいた。歌手でモデルのchayさん。居酒屋でビールジョッキを持ってこの表情。TPOに応じた服装も理想的。こんな子と一緒に呑みたいって男女問わず思うじゃん。

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そうして、私のビール女子訓練が始まった。
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まず一番最初にトライしたのが、女性でも呑みやすいと噂の「水曜日のネコ」。見た目からして呑みやすそう。水曜日に『けもなれ』見ながら「水曜日のネコ」呑むのめちゃくちゃ粋じゃん!と思った。ビール初心者の私、一杯目を注いでみたところ全然泡立たなかった。これがビールを呑みなれていない女の実力か…と肩を落としそうになったが、ネットで注ぎ方を復習し、二杯目はしっかり泡立った。写真は二杯目。呑んだ感想としては、普通のビールよりは呑みやすいかも、と思ったが、やはりグイグイ呑むことはできなかった。

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翌日にトライしたのは「よなよなエール」。こちらも呑みやすいとネットで見た。ちなみに「水曜日のネコ」も「よなよなエール」もローソンで手軽に買えるのが良い。グラスに注ぐとビールらしい黄金色が綺麗に光り、また注ぎ方に集中しなくとも、ひとりでに泡立ってくれた。素敵。個人的には「水曜日のネコ」よりも「よなよなエール」の方が呑みやすかった。グイっといきたい願望からグイっといってみたら、平日の仕事終わりで結構疲れていたこともあり、すぐに酔いがまわって飲んだらすぐに寝てしまった。

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お店でも呑んでみたいと思い、同じくガッキーになりたい友人を連れてクラフトビールのお店へ出かけた。お洒落なビールグラスに注がれたビールはまた恍惚とした美しさがあって、いつもより呑めそうな気がした。雰囲気って大事。

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そしてまた別の日には、別のガッキーになりたい友人たちを連れて、別のクラフトビールのお店へ出かけた。みんなガッキーになりたがっている。こちらのお店はハーフサイズ(280ml)で注文できるのが初心者にはありがたく、他の友達が注文したビールと飲み比べを楽しめるのが良かった。私は「イート・ザ・ホップIPL」というビールを呑んだのだが、正直今までに呑んだビールの中で一番呑みやすかった。


「ビールは喉越しを楽しまないと」とよく助言を頂くのだが、私は未だその「喉越し」の境地へは到達していない。「普通のオレンジジュース飲んでる時、喉を通っていく感覚ってそんなにないでしょ?!でもビール飲んだ時、喉を通る感覚があるじゃん?!」と私に「喉越し」の仕組みの説明をしてくれた友達がいるけれど、私からしてみると「オレンジジュースだって喉を通る感覚あるよ?!」だし「でも基本的に飲み物って舌で味わうものじゃん?!」という固定概念から抜け切れていない。

でもビールに興味を持ち始めてから、周りの人とお酒の話をする機会が増えて、お酒に興味がなかった頃からすると、格段に楽しい。そういう話をしていると、「次はワインに興味ない?!」とワインのことを教えてくれる人が寄ってきて、今度ワイン会にもお誘い頂いた。この年齢になると「新しいこと」をする機会が減ってくるので、常に自分から「新しいこと」に挑戦する機会を作っていきたいと思っていたけれど、まさか自分がお酒にまつわることで、新しい扉を開くことになるとは思っていなかった。まだまだビール女子への道は遠いけれど、毎週水曜日は『けもなれ』見ながらビールを呑んでいきたい。