<12>10年以上ジャニヲタの私が洗脳努力を続けても一切揺らぐことのなかった幼馴染みが、20代半ばにしてKis-My-Ft2を通して突然ジャニヲタになってしまった問題

■「10年以上ジャニヲタの私が洗脳努力を続けても一切揺らぐことのなかった幼馴染みが、20代半ばにしてKis-My-ft2を通してジャニヲタになってしまった問題」シリーズバックナンバー
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■ここまでのあらすじ

2013年秋、これまでジャニーズに一切興味のなかった私の幼なじみが、Kis-My-Ft2玉森裕太さんを入り口にしてジャニヲタの世界へ飛び込む。キスマイへ転げ落ちた彼女の勢いは、既にジャニヲタだった私を震え上がらせる程のものであったが、直後に申し込んだコンサートは残念ながら落選。落選の悲しみに暮れた彼女は、また突如としてSMAP草彅剛さんにリア恋を開始する。リア恋したはいいものの、草彅さんに好きな女がいるのではないかと妄想し勝手に失恋。手に負えなくなった私は、これ以上彼女をジャニーズの世界へ引きずり込むことは危険と考え、当シリーズを一旦終わらせる。
その後、緩やかにKis-My-Ft2のファンを続けていた彼女がまた突如として、Hey!Say!JUMP伊野尾慧さんに落ちた為、当シリーズを復活させる。最初こそ凄まじい勢いでHey!Say!JUMP沼に転げ落ちていた彼女だが、やはりそれも長くは続かず、私も彼女にジャニヲタ適性を求めることを諦めた。世の中の人間は「ジャニヲタになる人」と「ジャニヲタにならない人」の2種類で構成されている。しかし諦めるのはまだ早かった。彼女は再びHey!Say!JUMPに熱を上げていた。そして、遂に…!

というところで終わったままだった当シリーズ。あっ、このシリーズ初めてだって人は、バックナンバーとあらすじ置いておいたから、適当に読んでね。そう、このシリーズを書かないことには、年を越せまい。という訳で、2015年最後のブログ更新、行っちゃうぜ。前回、遂にHey!Say!JUMPのコンサートに、彼女を連れていくことになり、最後に「当日の様子はまたここで報告する予定」などと書いておきながら、一向にその様子を報告していなかったので、今から8月の話をします。ええ、今日は12月29日です(堂々)。

2013年秋にキスマイに落ちてから紆余曲折を経た彼女が、ようやくジャニーズの現場に行くことになったのが2015年夏。その間におよそ2年程の月日が流れてしまったが、これまでの洗脳期間と比較したら短いものである。彼女にジャニーズの扉を開かせてくれた玉森裕太さん、並びにリア恋の恐ろしさを体験させてくれた草彅剛さん、そして現場に足を運ぶ意欲を発揮させてくれた伊野尾慧さんには、特別感謝の気持ちをお伝えしたい。ありがとうサンキュフォー世界中へとハグ。

その日は朝早かった。大阪のお昼の公演に間に合うように出発せねばならなかったので、朝は5時起きだった。待ち合わせ場所で顔を合わせると、前日22時には就寝していた私と比較すると、彼女の顔はいかにも眠そうだった。眠れなかったのだろう、だって初めてのジャニーズのコンサート前日ですもの。とは言え、日付が変わる頃くらいまで起きていた程度だろうと思って、「何時に寝たの?」と聞いたら、「3時くらい」と言われた。えっ、想像以上に深刻な睡眠不足じゃないか。睡眠時間2時間で、ジャニーズのコンサートに行こうって言うのかい?それ大丈夫かい?せっかくのコンサート集中出来るかい?コンサートは集中力が命だと思い込んでいる私は、バスの中で寝ることを提案した。

しかし彼女はバスの中でも、「楽しみ過ぎて眠れない」と言い出した。私はiPadを取り出して準備しておいたHey!Say!JUMPの冠番組「いただきハイジャンプ」の初回放送を見せた。山田くんと伊野尾くんが小さな女の子と一緒に遊園地を回る、可愛さ大爆発の回だったので、私はバスに乗っていることも忘れてかなりニヤニヤしながら見ていた。見終わった彼女は、とても幸せそうな顔をしていたので、もっと見るかい?と提案したが、「いやもうこの30分見ただけでも胸がいっぱいで疲れたから、これ以上は無理…」と拒否された。ちょっと待ってくれ、冠番組を30分見ただけでそんなに体力を消耗していたら、本物見ちゃったらどうなるんだよ。私はコンサート会場で倒れてしまう彼女を想像し、そうなった場合のイメージトレーニングを始めた。

手に入れたチケットに書かれた座席は、後ろから数えた方が早かった。それでも彼女は、「思ったより全然近い」と喜んでくれた。私はジャニヲタらしく双眼鏡を持参していたので、必要になったらいつでも言いなさい、裸眼では恐らく伊野尾さんの美しい表情が見れないことでしょう、と彼女に伝えた。彼女はその場では「うん、ありがとう」と言っていたが、結局彼女はコンサート中一度も私の双眼鏡を使わなかった。コンサートの途中で、私は何度も双眼鏡を覗かないかと誘ったが、彼女は断固拒否だった。後から聞いたところによると、伊野尾さん一人よりも、JUMPの群舞が素敵だからずっと全体を見ていたかったらしい。自分の浅はかさに気付かされた。

コンサート終了後、彼女に感想を聞いたところ、「来るまではテレビで見て親近感を感じていたけれど、実際にコンサート会場に足を運んで本物を見たら、逆に今までより遠く感じるようになったし、非実在感が強くなった」と言っていた。それを聞いて、何だかホッとしている自分がいた。コンサートに足を運ぶことを推奨したのは自分だけれど、それを推奨することで、アイドルとの距離感が狂ってしまう場合もある。剛ポンにリア恋感情を抱いたことのある彼女は、コンサートに足を運ぶことでまた距離感を誤ってしまうのではないかという危惧が心の何処かにあった。だから、彼女がコンサートに足を運んだことで、今までより遠い存在だと感じるようになったという感想を抱いたことは、おかしな感情かもしれないが嬉しかった。

またそれに続いて彼女はこうも言った。「帰ったら恋愛しなきゃって思った」。あぁ、この人は本当に私の幼馴染みなんだなと思った。アイドルのコンサートには魔物が潜んでいる。その楽しくて幸せな空間に、ずるずると足を引っ張られているような感覚がある。年に何度も現場に足を運ぶ私が言ってもまるで説得力が無いが、何処かで全てを委ねてしまわないようにブレーキをかけているようなところがある。そんな感覚が彼女にもあったのだと思った。この空間は楽しくて幸せだけれど、その幸福と引き換えに、きちんと現実と向き合わなければいけないという感想を抱いた彼女の初戦が、私はとても愛おしかった。

コンサートを終えた後は、彼女のリクエストで大阪のジャニーズショップにも足を運んだ。ぐるぐる色んなグループの写真を見て回る私とは対照的に、彼女はHey!Say!JUMPのコーナーの前で、じっくり購入する写真を検討していた。「大阪、何処か行きたいところある?」と聞いたら、「ジャニーズショップ」と返って来た時には、驚くしかなかった。想像以上に彼女がこちらの世界へ足を踏み入れてくれたことが本当に嬉しい。


そして、彼女の初戦を終えてから早5ヶ月。明日、また一緒にHey!Say!JUMPのカウントダウンコンサートに行って来ます!!!

まさか今年2回も彼女と一緒にジャニーズのコンサートに行くことになるとは思ってもいなかった。しかもこんな年の暮れに。数日前から楽しみで眠れないかもしれない、とはしゃいでいたが、どうか今夜はぐっすり眠って欲しい。コンサートは集中力が命(持論)。

という訳で、このシリーズはまだまだ来年も続きそうです。それでは皆さま、よいお年を。
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