VHS「LIVE FOR THE PEOPLE」

V6の歴史お勉強会第3回。本日2回目の更新だが年内ゆっくり出来る休みがもう数える程しかないので、乾いたスポンジの如く過去のV6をどんどん吸収していく。今回の資料はVHS「LIVE FOR THE PEOPLE」。またしてもVHSだが、これこそがまさにV6がリリースしている映像作品の中で最も古いものとなる。

勿論私が見たものがVHS(1996年3月21日発売)だっただけで、2000年9月27日にDVDでも発売されている。ちなみにVHSは中古ソフト販売サイトにて1400円で購入。

『LIVE FOR THE PEOPLE』は、1995年12月22日に大阪で開催された「X'mas For The People」と、1996年1月27日-1月28日に東京で開催された「New Year For The People」の、V6初のライブツアー。また、その模様を収録した映像作品である。
LIVE FOR THE PEOPLE - Wikipediaより)

「LOVE&LIFE 〜V6 SUMMER SPECIAL DREAM LIVE 2003〜」の方が先に届いてしまったので、時系列を無視して先に2003年のライブ映像を見てしまったが、ここからは計画通り時系列順にライブ映像作品を追っていくことが出来そうだ。「初のライブツアー」とあるが、1995年11月1日に「SING FOR THE PEOPLE」というタイトルで1日2公演のデビューイベントを行っていて、そちらは映像化されていない様なので、正真正銘の「初ライブ」とはまた別のものになるようだ。しかしこのデビュー曲から来ているであろう「FOR THE PEOPLE」縛りのライブタイトルにジャニーズイズムを強烈に感じる。

先週2003年のライブ映像を見た時は、10年前のビジュアルではあるものの、「学校へ行こう!」等で当時のV6をよく見ていたので“懐かしさ”と共に、当時の彼らのライブを楽しんでいたが、話が1995年まで遡るとさすがに私も小学校1年生だったので、当時のV6の姿がどのようなものであったのか、しっかりと認識していた記憶はない。よってほとんど初めましての状態でこのライブ映像に挑んだ訳だが、トニセンは一番下の井ノ原さんでも19歳なので顔がもう出来上がっているが、カミセンの3人はまだ輪郭のはっきりとしていないあどけない少年そのものだった。

デビュー当時の岡田さんは、頬が赤かったことから森田さんや三宅さんから「りんごほっぺちゃん」というあだ名で呼ばれていたそうだが、まさにそのあだ名の雰囲気が似合うあどけない表情をしていた。岡田准一さんの作画が途中で変わった、と言われても納得出来る具合に、今の鋭く尖った線ではなく、もっと柔らかなタッチで描かれているようだった。「りんごほっぺちゃん」という天才的ネーミングセンスを発揮した当時の森田さんや三宅さん自身もまた、今と並べて比較したくなるようなあどけなさがまだ顔に残っていて、その頼りない少年らしさは当時のファンの母性を掻き立てていたのだろうなと安易に想像出来る。何せ今見た私ですらもうっかり母性を発動させてしまう。

突然少し話が飛ぶが、先日このVHSと一緒に「Vの炎」というV6全員で出演したドラマの2巻を同時購入していたので見た。主人公的立ち位置に森田さんが置かれていたのだが、全員演技経験が浅くくすぐったくなる程に情緒が伴わない台詞が続く中で、森田さんは雰囲気でそれを最低限に抑えていることに気付いた。たった30分のドラマを見ただけでも只者ではないオーラを感じたのだが、今回このライブ映像においても、やっぱり森田さんのカリスマ性が光っていた。見ようによっては気怠そうに構えている、と誤解さえも生みそうなのに、スイッチが入った時の森田さんのパフォーマンスは格別に良かった。最近の映像でも勿論感じていたことではあるが、デビュー当時から森田さんが中心に置かれていた理由を今きちんと肌で感じることが出来た。

岡田さんは2003年のライブ映像の時ともまた全然違う客席へのアプローチ方法をとっていて、初期~中期~現在までの間にどういう変遷を辿って「アイドル」としての立ち居振る舞いを変化させて来たのか、これから確認するのがより一層楽しみになってきた。今回の映像における岡田さんは、緊張気味で顔が締まっている他メンバーと比較すると抜群に笑顔を見せている時間が長かった。澄ました表情をすることもまたアイドルの仕事であることをまだ知らない、無邪気にこのライブの時間を楽しんでいる少年の純真な笑顔をずっと見せていた。単純に歌って踊ってお客さんからの歓声を浴びている今の状態を楽しいと感じていることが画面上から伝わり、コンサートで一生懸命に踊るジャニーズJr.を見つめるファンの気持ちを思い出した。重めの前髪に隠れた瞳が何度も照明を浴びてキラリと輝いていた。

最後にお客さんに対して礼をするのだが、全員で一気に頭を下げるタイミングを合わせる為に手を握っていたのだと思うのだが、トニセンの3人が息ぴったりの礼を見せる横で、慌ててぴょこぴょこ礼を始めるカミセンが何とも可愛かった。それをステージの上手・下手・中央と3回行っていたが、上手で一度慌てたカミセンは下手では合わせられるかなと思っていたら、二度に渡って同じ遅れを取っていて、一番端っこにいた岡田さんはより一層遅れて礼をしていて、本当にまだステージ慣れしていない普通の少年だったんだなと思う。

今回の初ライブツアー映像の岡田さんを見ていて、突然デビューすることになり不慣れながらも一生懸命ステージパフォーマンスに取り組むアイドルの姿を以前にも追ったことがある、これは誰かと似ていると思ったら、岡田さんの前に担当していたNEWS手越さんだった。手越さんがデビューしたばかりの頃、岡田さんは手越さんに自分と境遇が似ているからという理由で声をかけ、励ましたというエピソードがある。手越さんはその岡田さんの言葉に救われて、アイドルを続けることが出来た、と語っていたが、まさに岡田さんのデビュー当時の姿は、手越さんのデビュー当時の姿と重なるものがあった。一生懸命周りについていこうとしていた少年が、グループの中心にスライドしてくるまでに、どんな成長を遂げていくのか、次作は恐らく明日見ることになると思うが、もう既に楽しみだ。