顔目当てで何が悪いの? ー 映画『未成年だけどコドモじゃない』

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。年初めっぽいブログを書くことも考えていたけれど、いきなり本題に入る。

昨年下半期、寿命の短い“20代ブランド”を悔いなく有効活用するべく、突然堰を切ったように婚活を始めた。これまでにもこのブログでは何度か婚活の話をしているので、婚活なら前からやっていたじゃないかと思われるかもしれないが、これまでの比ではないくらい婚活に費やす時間を増やしたので、かけていたエンジンでようやく走り出したという感じである。エンジンかけてから長かったな。婚活をするにあたってはもちろん仲間もいて、私の周りには同じように婚活の場へ足を運ぶとなると、一緒に出かけられる友人が4~5人いる。その中には私と同じジャニヲタも居れば、若手俳優ヲタも居るし、もちろん何にもハマっていない非ヲタの友人も居る。

男性を見るポイントは人それぞれだが、ジャニヲタである私は友人たちから「男性の容姿に求める理想が高い」と思われがちである。「どうせイケメンじゃないと駄目でしょ」と古くからの友人は少しの好奇心と一緒に明け透けに尋ねてくる。ジャニーズと一般男性に求めているものは別物で、そもそもジャニーズに惹かれている理由は容姿に限定した話ではないことを主張しておきたくなるが、では実際にこの質問に対して完全否定出来るかというと、明らかに容姿の良い人たちを長い時間見てきた私の目が、そうでない人たちと同じ判断をくだしているとは思えないため、「顔が良いに越したことはない」というどこから目線の回答をしてしまう。もちろん、ブーメランの如くその言葉は自分にも返ってくることは承知である。

しかし「顔が良いに越したことはない」と答えると、大抵の人たちは「おぉ、潔いね…!」と斜めに褒め称えるかのような反応を示すのだけれど、これは顔以外のスペックが全て同じ人がずらっと並んでいたら一番顔が良い人を好きになるという意味合いとして用いたまでで、その他の要素においても「性格が良いに越したことはない」「高収入に越したことはない」と当てはめられるはずなのに、恐らく「性格が良いに越したことはない」「高収入に越したことはない」と言ったとしても、顔の時と同じような「おぉ、潔いね…!」が返ってくることはないと思う。容姿を重視する人、性格を重視する人、収入を重視する人、それぞれ重視するポイントが違うだけで、並列で対等な関係性であると思えるのに、何故か世界は外見とお金を重視する人に厳しく、中身を重視する人には優しい。外見やお金は自分の力では変えられないけど、中身だけはみんな自分の力で変えられるポイントだからだろうか。

「ジャニヲタである私は、人より容姿の良い男性を選んでいる」という仮説がここに立った。では実際に婚活の場で、私は容姿の良い男性を選んでいるのか、というところを思い返してみた。正直に言うと、私は私の基準で容姿が良いと思った男性を選んでいると思う。しかし、その私の基準で選んだ男性のことを、あとで非ヲタの友人に「かっこよかったね」と言うと、「そう?私は全然かっこいいと思わなかった」という反応が返って来ることがある。あれ。おかしい。先ほどの仮説に基づくと、ジャニヲタである私は人より容姿の良い男性を選んでいることになるけれど、その容姿の良い男性を非ヲタの友人はかっこよくなかったと判断した、非ヲタの友人の方が私よりも容姿に求めるハードルが高くなっている、ということになる。つまり、みんなもうとっくに知ってたことを口にするけれど、人それぞれに基準はある。なのでジャニヲタだからと言って、飛び抜けて容姿の良い男性を選んでいるということではないのだ。


何故年初めからこんな話をしているかというと、映画『未成年だけどコドモじゃない』が、この混沌とした思いを一気に吹き飛ばしてくれるエンターテイメントとして最高だったからだ。
映画「未成年だけどコドモじゃない」公式サイト
www.youtube.com
話のあらすじとしては、超お金持ちのお嬢様・香琳(平祐奈)が、一目惚れした先輩・尚(中島健人)と結婚したが、尚は父親の借金を抱えていて香琳の父親にその肩代わりをしてもらうために香琳と結婚したという話。少女漫画かよ!って、原作は少女漫画です。中島健人くん程少女漫画の世界観と相性の良いアイドルは他にいないと思っているので、健人くんが若い内に沢山の少女漫画を3次元に連れ出してって欲しいと思っている。そんな訳で健人くんは結婚したものの、お金のための結婚であって、感情は伴っていない。けれども祐奈ちゃんは憧れの先輩と結婚出来たことで超絶舞い上がっている、というのが序盤のストーリー。しかし健人くんはここで弓矢のような鋭さでとある台詞を吐く。

「俺、顔で結婚決めるような浅はかな女、大っきらいなんだ」

ご、ごめんなさーーーいっ!!!前半あんなに顔もひとつの基準だ、という話をしてきたのに、いきなりスライディング土下座を決めたくなる。健人くんは迫力満点の顔で、いや、健人くんは迫力満点のかっこいい顔で、こちら側への悪意を吐く。しかし、その憎悪の顔もまた美しく、浅はかだと貶されたそばからもうかっこいいと思ってしまう。「違う、私が浅はかだから結婚を決めたんじゃないの、健人くんのその美しさが私を浅はかにしたのよ」と私が祐奈ちゃんだったら訳の分からないことを口走りそうになる。これがまず映画館の座席で受けた衝撃の一波である。心臓にグサッと穴が開く音がした。

しかし祐奈ちゃんは世間知らずではあるもののなかなか賢いお嬢様である。ストーリーの序盤で健人くんの元カノが出てきて、「あいつはあなたの金目当てよ、あなただって顔目当てでしょ?別れた方がいいわ」等とJKらしい理論で声をかけてくる。ここで祐奈ちゃんの渾身の一撃。

「顔目当てで何が悪いの?」

最高だ。しかしこの台詞、彼女は開き直った訳でなく、本気でそう思って言った台詞なのだ。自分の家にはお金がいっぱいある、だから分けてあげる、お金目当てでも何の問題もない、「お金目当てと顔目当て、何かいい感じ♡」とまで言ってしまう。しかし私はこのあとの「尚先輩のお顔って凄いのよ」と、どんな時でも顔を見れば嬉しい気持ちになるから素晴らしい、みたいな台詞が一番胸を撃たれた。一番胸を撃たれたのに、大事な台詞部分を記憶出来ていないのが悔やまれる。顔が好き、というだけで幸せになれる、相手のことを許せてしまうことってあると思う。顔が何よりも強いカードとして提示されることの素晴らしさを語るこのシーンが個人的に一番好きだった。

追記:フォロワーさんに上記覚えていなかった部分の台詞教えて頂きました!『尚先輩の顔ってすごいのよ!ちょーっと見ただけですっごく幸せな気持ちになれるの!』です。シンプルにくる。いい。

最終的に健人くんは祐奈ちゃんのことが好きになって「俺ってそんなにかっこいい?」とか聞いちゃうようになるんだけど、何ていうか本当に顔にまつわる台詞を沢山中島健人くんに言わせてくれた世界ありがとう、いや、Sexy Thank you。顔面偏差値が高いグループと言われているSexy Zoneの中島健人さんに、この役が回ってきた運命にSexy Thank you。あ、知念様の話を全然していなかったけれど、結婚した男女の仲を引き裂く悪役としての知念様も最高でございました。小動物のような愛らしさの知念様だけど、そのイメージと対照にある悪魔的要素との相性も良く、こちらも顔が可愛いって最強だなと思った。顔が可愛い人の性格が良いと天使だし、顔が可愛い人の性格が悪いとゾクゾクできる。こちらもSexy Thank you。

という訳で、思いがけず「顔と結婚」について考えるきっかけになった映画だった。「顔目当て」という言葉を正当化できた香鈴には、何と言っても顔が良い男を助けられるだけの十分な金がある。しかし私にはそんな金はない。振り出しに戻る。でもひとまず、気持ちのスカっとした2018年初映画だった。