「笑ってコラえて!」の日本テレビ新人アナウンサー1年間密着企画が面白い

アナウンサーについてこのブログで触れるのは初めてかもしれないが、実は私アナウンサーもそこそこに好きだったりする。アイドルは男女問わず好きだが、アナウンサーの場合は、男性アナウンサーよりも俄然女性アナウンサーの方が好き。もしそれ相応の美貌と能力があったとしても、自分の人生の選択肢には無かっただろうなと思うからこそ、確率0の職業には興味が沸いてしまう。私が高校生や大学生の頃は圧倒的にフジテレビのアナウンサーのアイドル性が強かったが、昨今は好きなアナウンサーランキング堂々1位の水ト麻美アナのいる日本テレビ女子アナウンサーが私の中では熱い。またジュリー班のジャニーズを追いかけていると、日本テレビを視聴する頻度が高くなり、そこから発展して共演している女子アナを好きになったりする。NEWSの小山慶一郎さんと「every.」で共演していたことで小熊美香アナに興味を持ったり、夏や年末の音楽番組で櫻井翔さんと並ぶことの多い徳島えりかアナなどが気になってくる。水トアナのことも勿論大好きで、水トアナがゲストとして出るトーク番組はテレビにかじりつくように見る。アナウンサーなのに大きく口を開けてご飯を食べている水トアナを初めて見た時、革命だ!と思った。

そんなところに「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」が今年入社の日本テレビ新人アナウンサーに1年間密着する企画を行っているというのだ。飛びつくしかない。今年入社の日本テレビ新人アナウンサーと言えば、一般の人が一番に思いつくのは内定取消騒動の笹崎里菜アナではないかと思う。私も他の新人アナのことは知らなかったが、笹崎アナのことはすぐに頭に浮かんだ。「笑ってコラえて!」では勿論この騒動のことには触れず、他の新人アナと同様に笹崎アナも取り上げられる。ちなみに他には、親が松岡修造の大ファンだった為同じ名前を付けられたという平松修造アナと、福岡から就職を機に上京してきたという尾崎里紗アナがいる。男性アナは今回はひとまず置いておくとして、残りの女性2人、笹崎アナと尾崎アナが女性として対照的な部分が多くて、そんな二人が同期であるということに私は度々興奮してしまう。そしてどちらが好きかと言えば、私は尾崎アナが現時点お気に入り。

尾崎アナの魅力は後々語るとして、まずこの企画の何が面白いかと言うと、「日本テレビの新入社員研修を覗き見れるところ」である。自分の会社以外の他の会社の新入社員研修がどんなものであるかなんて、知り合い伝いに話を聞くかもしくはテレビ等で特集が組まれていない限り普通知り得ない。ましてや大きなテレビ局の新入社員研修で何が行われているかなんてそう簡単には知ることが出来ないので、めちゃくちゃ知りたい。日本テレビの新入社員研修は、まず入って数ヶ月間は仮採用なので、希望している部署に関わらず番組のADの手伝いをするところから始まるらしい。尾崎アナの研修の舞台は朝の情報番組「ZIP!」のカンペ出しだったが、枡アナに見せる「アロハ♪」というカンペを出してすぐ下がるだけの仕事に緊張していたり、笹崎アナはバラエティ番組のロケに行く為に10kg近い機材を持って暑い中電車で移動し芸人さんに飲み物の差し入れをしたり、最初の数週間はアナウンス業とは関係のない仕事を体験して、耐性を付けているようだった。

その次に面白いなと思った研修が、「100kmウォーク」。アナウンサーに限らず一緒に入社した新入社員全員で、2日間に分けて100km歩くという、本当にこんな研修してる会社あったんだと思わざるを得ない内容。ここで根性の有無を改めて確認されるのかもしれないが、古き良き時代の試し方だなと思った。そんなこと言いながらこの回見ながら泣いたんだけど、ゴールして「同期最高」ってみんなが言ってる姿見たら、じわっと来るものがあった。この時ゲストで来てた千秋さんのコメントが秀逸だったが、「女性アナウンサーは大体野球選手とかと結婚する人が多いけど、たまに同期と結婚したりする。あれどういうことなんだろうと思ってたけど、今このVTR見て意味が分かった。」と言っていて、所さんも「男女集めて100km歩かせたら5組くらいカップル出来るからね」と答えていて、カップルがどれぐらい出来たかは知らないけど、根性の有無を確かめる意味もあったし、同期との絆を生ませる為の研修でもあったんだなと思った。

そうして仮採用の期間が終われば正式な配属が決まり、そうなると本格的にアナウンサーになる為の研修が始まる。実際にその日に先輩アナウンサーが読んでいた原稿を使って研修が行われる訳だが、画面上にも読んでいる箇所の原稿が同時に映し出される。その原稿にはアクセントの記号とか抑揚の記号とか本人直筆のメモが書き込まれていて面白い。実際にアナウンス業を全く経験していない人間がその記号を見たところで、何を示しているのかは分からないが、普段私たちの耳にするすると入り込んでくる言葉たちは、こうした配慮の上で発せられているものだと思うと興味深い。そして誰が読んでもあんまり変わらないのではと思っていた原稿読みも、やはり先輩アナウンサーの手本と比較すると新人アナウンサーの読み方は拙い。当たり前のことだけど、誰もが最初から綺麗なアナウンスが出来る訳ではないのは当然だけど、我々はこの拙い時点のアナウンスを知らないまま、ある程度完成された状態のアナウンスしか聞いていないので、新鮮に驚いてしまう。けれどもテレビの前で自分も一緒にチャレンジしたところで、その拙い新人アナよりも遥かに下手な原稿読みになってしまうのだから、何事も自分でやってみたら難しさがよく分かる。

このアナウンサーになる為の研修は、同じ講師がずっとついている訳ではなく、先輩アナウンサーが自分たちの番組の合間を縫って交代で講師を務める為、普段テレビで見ているアナウンサーが続々と登場してくるのも面白かった。「every.」でお馴染みの藤井アナは噛まないで何処まで原稿を読めるかに挑戦させ、噛むか噛まないかは自分のメンタルの問題だと説き、「ZIP!」でお馴染みの枡アナは、「15秒間で自己紹介を考えてください」と言っておきながら、本番時間が押して10秒しかなくなった場合のロールプレイングを行っていて、精神力も臨機応変に対応出来る能力も求められるアナウンサーという職業の難しさを改めて実感した。新人アナはそれぞれ拙いながらも一生懸命自分に負けないよう取り組んでいて、この頃にはもう完全にアイドルを見るような目で成長を応援していた。

さて、そろそろ尾崎アナの好きなところを述べたい訳だが、一番最初に尾崎アナに惹かれたのは、アナウンス研修に入る直前に意気込みを聞かれた時の対応の仕方だった。先に笹崎アナが「笑顔を封印して頑張ります」と言ったのに対して、「笹崎は笑顔を封印すると言いましたが、私は笑顔全開で頑張ります」と尾崎アナは笹崎アナの発言をひっくり返した。それを見ていた平松アナが「尾崎のずるいところ、同期を踏み台にするんですよ」と言って場は和んでいたが、こういうコメントをしちゃう人が私は好きだったりする。笹崎アナは先に世間の注目を浴び、またビジュアルにおいても大学のミスコンで選ばれる程の美しさを持っているが、一方尾崎アナは福岡から出てきたほんわかした女性というイメージ。普通にしていたら笹崎アナに全部持って行かれるという意識は多少あると思うのだが、その意識が顕著に出ていた、欲望が剥き出しになった良いシーンだったなと思う。また尾崎アナは先述の100kmウォークにおいても、「生粋の帰宅部」と最初にコメントしていて途中リタイアも予想されたが、自分だけゴールしないなんて考えられないと言って最後まで歩き切った。同期も「見た目によらず負けず嫌い」と評していて、強い女性である安心感とどこかしら守ってあげたくなる危うさが共存している。水トアナウンサーとも雰囲気が近く、恐らく「笑ってコラえて!」を見て彼女のファンになった人は少なくないと思う。

まだこの密着企画は半年が過ぎた頃ではあるが、アナウンサーというあまり人間的な部分を表に見せない人たち、「伝える」ということに徹底して取り組む姿しか普段見せていない人たちが、新入社員として一人前になるまでを見せられているのは、見てはいけないものを見ているような感覚だった。アナウンサーに限らず、新入社員でまだ何も出来ない状態を人に見られるのは辛い。それがアナウンサーともなると、「アナウンサーになったくせに~が出来ない」という特別な目で見られる可能性も高い。「アイドルになったくせにダンスが出来ない」はキャラクターになるし致命的ではないが、「アナウンサーになったくせにアナウンスが出来ない」は致命的だと捉えられる。そんな冷や冷や感がある。だけど、だからこそ、「笑ってコラえて!」は「1年たったらこうなりましたの旅」というタイトルでこの密着企画を行っているのであり、1年後にどんな姿になるのか私たちは楽しみで仕方がないのだ。この9月期から、笹崎アナは「シューイチ!」のレギュラーへ、平松アナと尾崎アナは「ZIP!」のレギュラーになるらしいので、私は24時間テレビ用にベタ録り設定にしていた「ZIP!」をこのまま継続してベタ録りしていくことにした。