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ジャニーズJr.を応援するということ

昼休みにセブンイレブンでお昼ご飯を買っていたら雑誌コーナーで、見た事があるけれどコンビニでご対面するのは初めてじゃないかと思われる新鮮な面々が表紙の雑誌がこちらを向いていた。「ジャニーズJr. 初表紙記念! キラキラ王子様グラビア & はじめましての6面表紙」と書かれた週刊のテレビ誌には、その企画にふさわしい王子様衣装を纏った6人の少年たちがこちらを向いていた。今度この面々でドラマが始まる訳でもなく、新番組が始まる訳でもなく、「テレビ誌」という性質上そういったタレントが表紙を務めるのがルールとなっているこの雑誌で、まだ世間一般的には名の知られていないジャニーズJr.が表紙に登場しているのを見て、単純にあぁそういう時期が来たのかと思った。

週刊TVガイド(関東版) 2015年6月5日号

週刊TVガイド(関東版) 2015年6月5日号

私は年始に2015年ジャニヲタとしてやりたい10のことというTODOリストを作成していた。その中で「⑤ジャニーズJr.を勉強する」と掲げていた。これは今年2015年が、順当に行けばV6、嵐、NEWS、Hey!Say!JUMP、Sexy Zoneを生んだ「ワールドカップバレーボール」の開催年に当たるからだった。今年デビューするのはどのジャニーズJr.なのか、みんなが注目を集めるこの時期に、私もほとんど野次馬と同程度の好奇心で注目してみようと思っていた。しかしながら今回の「ワールドカップバレーボール」は秋開催から夏開催に移り、スペシャルナビゲーターはSexy Zoneと既に発表されている。今年新ユニットのデビューはあるのかないのか。これまでとは違った流れに、いつも以上に読めなくなっているという噂を聞いていた。そこに来たテレビ誌の表紙である。

この子たちが今後どういう道を辿る事になるかは現時点分からないが、記念に買っておくかという気になったジャニヲタは恐らく私だけではないはず。私はお昼ご飯のサラダと一緒にレジに持って行った。現在ジャニーズJr.が出演する番組はBSで放送されている「ザ・少年倶楽部」以外にもいくつかあるらしいが、私は普段それを見る事はない。それらを見ている友人が楽しそうに喋るJr.の話を私はいつも「へぇ~」と聞き流していた。特別これから興味を持つ可能性は無いと思っていたからだった。私は2011年にその当時最も好きだったタレントが未成年喫煙による無期限謹慎処分になるという経験をしている。目の前から一瞬にして希望の光が消えてしまう感覚は、もう二度と味わいたくなかった。よって、次に好きになるタレントは成人済のタレント、その次に好きになるタレントはそれよりももっと年上の安定したタレント、と意識的に“不安定さ”を回避していた。そういった経緯からほとんどが未成年であるジャニーズJr.に傾倒する事は身体が拒否していた。

だからあくまで資料として今回のテレビ誌を手にとった訳だが、実際にそのテレビ誌に資料以上の魅力は無かった。みんな綺麗な顔をしていて、生年月日や好きな先輩等が書かれたプロフィールが同じように整列している。データとしてはときめくが、それ以上でもそれ以下でも無かった。表紙の6人の中で一番顔が可愛いなと思った子は、私が大好きな“最年少”だった。自分の最年少を見抜く力が本物だった事に感動しながらその日は眠った。朝起きると数件のリプライが届いていた。表紙の6人のファンと思われる方々から、その子たちのお勧めポイントやお勧め動画について教わった。私はそれらをあくまで資料として、今後の参考データとして見る事にした。「ザ・少年倶楽部」で披露された「勝つんだWIN!」という曲だった。

1回見ただけで、私の中の信念や意地が一瞬にしてひっくり返された。10代の男の子たちの、それもまだデビューという切符を掴む手前の、けれども最もデビューに近いところに居る男の子たちの、野心も、青春も、期待も、儚さも、欲望も、夢も、全部詰め込まれた景色がそこにあった。私がこれまで目を逸らしてきたからこそ誇大化して見えるのかもしれない10代の輝きがそこにあった。私が忌み嫌ってきた“不安定さ”は、見方を変えるとそれ自体が武器になる。まだ彼らが何者になるのかは分からない、どう転ぶか分からない危うさこそが10代の輝きを作りあげる要素の一つにあたるという事を4年振りに思い出した。だから私はあの時、10代の男の子の魅力に取り憑かれていたのだと、そんな初歩的な事を思い出すのに4年もかかった。

ジャニーズのタレントを応援する中でも「ジャニーズJr.を応援すること」は極めてリスクが高い。前述した要素以外にも、いつ退所するか分からない、退所したとしても事務所から正式な発表がある訳ではない、そもそもいつ何処の現場に登場するのかも不明である、それすらも事務所から正式に発表されない場合もある。そんな何もかもが不安定な状態で、ジャニーズJr.を応援する覚悟は今の私にはない。それでも彼らの未来に懸けて、ジャニーズJr.を“担当する”ファンは沢山いる。その原動力は人様々かもしれないが、ジャニーズJr.にしか放つことが出来ない煌きがあるからだと今日1日中動画を繰り返し見ながら改めて感じていた。そしてそもそも自分がジャニーズJr.内の期間限定ユニットを見てジャニヲタに堕ちた人間だった事を思い出して、己の入口じゃないかと思い返して笑った。