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24時間テレビという桃源郷

V6 Hey!Say!JUMP

あれは誰が言ったんだったか。ネギたっぷりの餃子を包み始めたTOKIOは「後輩全員手伝え」と、スタジオに居たジャニーズ事務所のタレントに餃子の皮を包むように指示を出した。関ジャニ∞やKAT-TUNやHey!Say!JUMPのメンバーがキッチンセットの前に立ち、餃子を包み始めた。「ジャニーズのタレントが並んで餃子の皮を包んでいる」という未だ嘗て見たことのない異常な光景に興奮せざるを得なかった。そしてその餃子がフライパンの上で焼かれ、やがて人の体内に吸い込まれていく事を考えると、その餃子を食べる人に対する嫉妬で顔が歪みそうだった。いや実際の私の顔は歪んでいたのかもしれない。日本テレビで放送されていた春の特番を、私は追っかけ再生で見ていた。

そこに友人から「今すぐ日テレを見てー!」というLINEが入った。いや、見てるよ。今とても嫉妬に狂いながら、ジャニーズのタレントたちによって作られた超プレミアム餃子が、誰かの口に運ばれていくのを見てるよ。たんぽぽの川村さんが餃子を口にした直後「んあっ!!」とひっくり返っていた。そりゃそうなるよね。その餃子はジャニーズのタレントによって包まれたものなのだから。友人もさぞかしこの嫉妬に狂ったのであろうと思いながら「追っかけ再生してるよー今みんなギョウザ食べてる」と返信した。数秒も経たない内に彼女から返信が来た。「V6さん24時間パーソナリティやで!」

左様か。一気に超プレミアム餃子のことがどうでもよくなった。みんな心して食べるがよい。餃子を食べた後、各々の食レポコメントが続いているのを、早送りで駆け抜けた。そしてたどり着く「24時間テレビメインパーソナリティ発表」の瞬間。もうあと少しだった。もうあと少しでリアルタイム視聴に追いつくところだった。ギリギリ遅刻である。メインパーソナリティは、幕の向こう側で最初シルエットだけ映し出された。ドキドキする。もう友人からV6だというネタバレを聞いているにも関わらず、誰がメインパーソナリティなんだろうと新鮮にドキドキする。そして出てきた6人組はやっぱりV6だった。当たり前だ。今日はエイプリルフールではないのだから友人もわざわざ嘘なんてつかない。今年20周年を迎えるV6がメインパーソナリティを務めることは想定の範囲内ではあったが、それを追っかけ再生で知るくらいには、私はこの発表をぼんやり構えていた。

そして今回の発表には更なるサプライズが付いてきた。メインパーソナリティに、大人世代と若者世代として2組が起用され、V6ともう1組がHey!Say!JUMPだった。Hey!Say!JUMPがデビューから5年経過した頃だっただろうか、他のグループと比較すると、彼らに初のメインパーソナリティが回ってくるのが、少し遅くなるのではないかと危惧していた。彼らが遅れているというよりも上が詰まっている状態がここ数年続いている印象があったが、ようやく彼らにも伝統のバトンが引き継がれたのだ。V6の記念年起用と、Hey!Say!JUMPの初起用を、一緒にしてしまおうと決断がくだされるまでにどういう過程があったのか気になるが、このメインパーソナリティ2組制を把握したあたりから、ようやくぼんやりしていた感情が高揚し始めた。

V6とHey!Say!JUMP、どちらもバレーボールの大会のスペシャルサポーターとして結成された所謂「バレーユニ」という共通項があるものの、間に嵐やNEWSがデビューしている為、デビュー年で言えば12年も差がある。V6の最年少岡田准一さんと、Hey!Say!JUMPの最年長薮宏太さんの年の差は9歳である。何処をどう切り取っても世代が違う2組が、今回「共同作業」を行うことになった事実にも胸が高鳴る。ジャニーズの同世代グループ間の交流はけして珍しいことではないが、この2組においては、メンバーの一部が番組やCMでの共演経験があるのみで、どういった化学反応を起こすのか現時点全く見えて来ないところが楽しい。

とは言え、V6は「トニセンとカミセン」、Hey!Say!JUMPは「ベストとセブン」と言った形で、年齢による「兄組と弟組」という区分が存在する点、またパフォーマンスにおいてはジャニーズグループの中でも特にダンスに重きを置いている点、等の共通項があり、個人的にV6のビジネスモデルを継いだのがHey!Say!JUMPであると解釈している為、それが24時間テレビと関係してくるかは不明だが、2組がここに来て向き合う機会が巡ってきたことには乾杯したくなる。

メインパーソナリティが発表されてから、慢性的に愉快な気持ちが続いている。こんなに面白いコンテンツが提供されたので、あとは自分が如何にして24時間テレビという耐久レースに挑むかである。普段からCMの時間が勿体無くて、番組が始まってから10分程経ってから1.5倍速で追っかけ再生を始め、最後だけ帳尻合わせてみんなと一緒にゴールインするという手法を取っている私が、24時間延々とテレビを見てられる自信はないので、夏に向けてまずは普通の速度でテレビを見る訓練をしなければならない。そして24時間テレビという番組の性質上、酷くエネルギーを消耗してしまうことに対しても免疫を付けておかなければならない。それでもきっと涙腺は馬鹿になるのだろうけれど。まだもう少し先のことだけど、この夏に夢のような24時間が約束されていることに、暫くの間酔っていたい。