読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

<5>10年以上ジャニヲタの私が洗脳努力を続けても一切揺らぐことのなかった幼馴染みが、20代半ばにしてKis-My-Ft2を通して突然ジャニヲタになってしまった問題

Kis-My-Ft2

10月某日、朗報が舞い込んだ。

Kis-My-Ft2、冬のコンサート決定!!

Kis-My-Ft2 SNOW DOMEの約束 IN 東京ドーム IN 大阪ドーム
11/15(金)18:00 東京ドーム
11/16(土)18:00 東京ドーム
12/14(土)18:00 大阪ドーム
12/15(日)14:00 大阪ドーム

先月突如としてキスマイのファンになり、私により半ば強引にファンクラブに入会させられた幼なじみ。8月に夏のツアーを終えたばかりのキスマイの次のコンサートは半年程先になるのではと踏んでいたところに、早速生のキスマイを拝めるチャンスが舞い込んで来たのである。彼女の熱が冷めない内に一刻も早くキスマイのコンサートへ連れて行ってあげたいと感じていた私は、情報を取得してからすぐさま彼女に連絡した。

連絡を受けてからの彼女の行動は早かった。
「どうやって申し込むの?」「本当に当たるの?」
初めてジャニーズのコンサートチケットの申込をする彼女に私はチケットの申込方法を教えた。ジャニーズ事務所のコンサートチケットの申込方法で、他のチケットの取得方法と最も異なる点として、「先払い」制度という点が挙げられる。まだ当たるかどうかも分からないのに、とりあえず申し込む時点で希望する枚数全てのチケット代を振り込む必要がある。恐らくこれは当選したにも関わらず入金しない人が多発することで空席が出来ることを避けた対策だと思われるが、それにしてもよく出来た制度である。勿論、落選した場合は返金される。ただし振り込む際にかかった手数料は戻って来ない。場合によっては何十倍という倍率を叩き出す人気コンサートでは、圧倒的大多数に返金することになるにも関わらず、昔からこの制度は変わることがない。ちなみにV6井ノ原さんによると、タレント自身が家族や友人のためにチケットを取る際は、ファンの子たちよりも少し早い期限を設定されて、それまでに欲しい枚数分自分で振り込みをしにいくのだと言う。タレントですらも自分のコンサートのチケットを取り置きしておいてもらえず「先払い」制度に抗えないのであれば、ファンの我々はもうこれに従う以外の方法はない。
以上の内容を幼なじみに簡単に説明した。とにかくキスマイに会えるチャンスを手にした彼女は、柔軟な吸収力でこれを理解した。

続いて私は「本当に当たるの?」という質問に回答しなければならない。これに至ってはウンともスンとも言えない。最近のジャニーズ事務所内コンサートチケットの取りづらさで有名なのは、嵐・関ジャニ∞Kis-My-Ft2と言われている。勿論その他にも会場のキャパや公演数によって、人気度の高い公演はあると思うが、私の周りでよく聞くのはこの3組である。あまりの倍率の高さに当選した人に対して「落選した人の気持ちも考えて」と突撃するTwitter文化が生まれたのも記憶に新しい。当選落選は運の問題ではあるが、その運は財力や協力的な友達がどれぐらいいるか等によっても変わってくるので、ジャニヲタとして強く生き抜く為には、それなりの能力も必要ということになってくる。ちなみに今回のKis-My-Ft2の倍率は如何程のものになるか、大変大雑把に計算してみた。まず今回のコンサートの動員数であるが、東京ドーム約5.5万人×2日間+大阪ドーム約4.5万人×2日間=計約20万人。そこに現在Kis-My-Ft2のファンクラブ会員数約18万人が、1~4枚で申し込みをし20万人の枠を争うのである。みんなが綺麗に1枚ずつ申し込みをしたとしてようやく全員が当たる計算である。恐ろしい。この私の単純計算を聞いただけで彼女はもう絶望的な顔をしていた。

とは言え申し込みをしないことには当たらないので、彼女はたったひとつしかないファンクラブ名義を使って1公演だけ申し込みをした。振込用紙の書き方はこれで間違っていないか私に添削を求めてくる程、彼女は丁寧に振込用紙を書いていた。あとはもう神に祈るしかない。倍率の高さに怖気づいた彼女を「大丈夫だよ」と励ますも、その言葉に根拠など一切ない。どうせなら彼女のために私もキスマイのファンクラブに入って一緒に申し込みをして当選の可能性を増やすべきだったか、等とも考えたが、私も私で最近V6のファンクラブに新たに入ったばかりで金銭的余裕がなかった。とにかくあとは願うのみだ。どうか当たってくれ。

祈るような毎日を送る中で最近の彼女はというと「キスマイの曲聴きすぎて吐き気がする」等という新たな症状を私に訴えるようになり、初期衝動の峠の向こう側へ行ってしまったらしい。ファン活動というのは病なのである。好き過ぎるあまりにその前提を忘れてしまう程陶酔してしまう病なのである。しばらくキスマイの曲から遠ざかったことで彼女はその症状から抜け出し、また車の中で爆音でキスマイを流しながら私を迎えに来る。コンサート会場のようにキスマイサウンドが鳴り響く彼女の車に乗って、改めてコンサートに行くしかないと思った。ジャニーズのコンサートの非現実空間、ファンが作り上げるペンライトの海、それを彼女に絶対見せたいと思った。