ジャニヲタ突然の悲劇、HDDがクラッシュしてこれまでの録画番組が全て消えました

その悲劇は突然やってきた。昨日の朝、私は「軍師 官兵衛」の再放送(土曜昼)を録画予約するべく、HDDレコーダーの電源を入れた。「軍師 官兵衛」の本放送は日曜夜であるが、私は先週の日曜HDDの残量を残しておくことが出来ず、官兵衛を録り逃していた。再放送があることが日本放送協会の良いところで、録り逃しても誰かにダビングをお願いしなくてもよい。自分で補えるだなんて、なんてヲタクに優しいのだろうと思いながら、私は意気揚々とHDDレコーダーの電源を入れた。恐らく満杯になっているであろうHDDの整理もしなきゃいけないだろうなと思いながら。


「録画された番組はありません」だと?!そんなはずはない、私はこれまで数々のジャニーズ番組を録画していたはずだ。3年前に父が購入して来たレコーダーをそのまま譲り受ける形で受け取り、一番最初に録画した番組のことよはよく覚えている。Kis-My-Ft2がデビューする時期に出演した「笑っていいとも!」だ。いいともはもう終わってしまった。悲しい。その後のバイキングは一度も見たことがない。違う、そんな話をしていたのではない。あれから3年間、雨の日も風の日も心が病める日も好きなジャニーズタレントが変わっても、私はこのレコーダーに数々のジャニーズ番組を録画して来たはずだ。「録画された番組はありません」だなんて、寝ている間に誰かが新品のレコーダーと入れ替えたか、寝ている間に勝手に初期化されたかしか考えられない。藁にもすがる思いで、インターネットで修復方法を検索した。

レコーダーの病名は「HDDクラッシュ」だった。本来HDDとは録画した番組の一時保管所であり、見終わった番組はさっさとディスクに落とすもしくは削除するという作業をしなければならないにも関わらず、私はHDDのことを寛大に何でも受け止めてくれる永久保管所のようなものだと信頼し切っていた。そう、全ては私の怠惰が引き起こした事故だった。思い返してみれば最近HDDに負荷をかけ過ぎていた。常に残量は10時間を切っている状態で、毎日の様に井ノ原快彦さんが出演している「あさイチ」(1時間40分)を録画させ、更に9月からは三宅健さんが出演している昼ドラ「ほっとけない魔女たち」(30分)が加わった。月曜から金曜までひっきりなしにレコーダーは稼働させられているにも関わらず、私はレコーダーの整理をすることを怠っていた。遂に耐え切れなくなったレコーダーは、私の怠惰に怒り、これまでの録画番組を全て消すという逆襲に出たのだった。

HDDクラッシュだ、という旨のツイートをしたところ、フォロワーさんから私も以前に同じ状況になりました、というリプライを何件か受けた。リプライを送ってくださった方々のほとんどが、HDDの中身の修復は出来ないまま初期化、もしくは買い替えすることになった、という経験談を語ってくれた。やはり、激怒してしまったレコーダーの怒りを鎮める方法なんてないのだなと思った。そのリプライをくださった方々のほとんどが、嵐のファンの方々で、嵐のファンの下で働いていたレコーダーたちも、さぞかし多忙だったことだろうと過労死したレコーダーたちに同情した。

親族が話しかけたら息を吹き返す場合もある、という奇跡を願って、私はこの3年間よく働いてくれたレコーダーに精一杯話しかけた。最後は私を差し置いて勝手に記憶喪失になったレコーダーへの嫉妬を吐きながら。しかし彼はけして蘇ることはなかった。それでもまだ諦めるな、コンセントを抜いて一晩寝かしておけば蘇ったケースもあるぞ、という慰めのリプライも頂いたので、コンセントを抜いて呼吸器を外されていよいよ本当に死んでしまったのではないかと思われるレコーダーと昨夜は一緒に寝た。期待しながら今朝コンセントを差し込んで電源を入れてみたが、やっぱり彼はもう私を許してはくれなかった。

このHDDの中に私は何を残していただろうか、と思い返してみたが、「軍師 官兵衛」を1月の放送から1回もディスクに落とさないままHDDの中に入れっぱなしだったことが何より一番悔やまれる。しかしこれはDVDボックスを買えばよいのだと自分に言い聞かせ、次に何を残していただろうか、と思い返してみる。墓場まで持って行きたいと思っていた、岡田准一さんがゲストのあさイチは、PCに移しておいたので悲しむ必要はない。その他、毎年恒例のジャニーズカウントダウンや歌番組等残しておきたかったものがいくつか思い当たるが、実際それを残しておいたところで人生で何回も見返すことはないだろうと思った。墓場まで持っていきたいレベルは意外となかった。私が録画をする理由は、もしかしたらコレクター欲を満たしているに過ぎないのかもしれない、と初めて気づいた。

HDDの中身が消えてしまったことに対して何日もメソメソと悲しんでいても、その間にもジャニーズの番組は次から次へと放送が迫って来るので、潔くレコーダーを初期化してやった。初期化する際レコーダーは「HDDの中身が全て消えますが、よろしいでしょうか」等とアナウンスして来たが、初期化してもしなくてもお前はもうHDDの中身を私に見せてくれることなんてないのだろう、と逆ギレしながら「はい」のボタンを押してやった。録画一覧画面に移ると、先ほどまでと全く同じように見えるが、残量の部分が「164時間」と表示されているではないか。嗚呼、私は164時間に及んで録画してきたジャニーズの番組を捨て、また164時間に及ぶジャニーズの番組を手に入れる環境が整ったのだ、と涙が出た。そして中身は消えたけど、まだ私の下で一からやり直して再度付き合ってくれることを選択してくれたレコーダーに感謝だ。近くにまた遠征予定があるから、今レコーダーを買い換える財政的余裕はなかったんだ。ありがとう。

そんな訳で、今後の自分への教訓、またHDDと向き合っていくジャニヲタ仲間への注意喚起として、この記事を書いた。HDDに甘えてはいけない。彼らにだって限界がある。録画して見終わったものはすぐにディスクに落とす、もしくは削除する等して、HDDに負荷をかけないことが、彼らと長く付き合っていくポイントだ。普段からきっちり行っている人には当たり前のこと過ぎて何を言ってるんだと思われるかもしれないが、私のような怠惰な人間は恐らくこのあとの人生で学習せずに何度もHDDクラッシュを起こしかねないので、残量が少なくなって来たら、この記事を読んで今日の屈辱を思い出すことにする。